「我々はヘルスケアイノベーションを起こそうという志は強いが、これまでは目覚ましい成果をあげられなかった。今こそ、日本のヘルスケア業界に大きなインパクトを与えられると信じている」(MSD 執行役員 経営戦略部門統括の中島理恵氏)――。

MSD 執行役員の中島氏
MSD 執行役員の中島氏
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 米製薬大手Merck & Co.日本法人のMSDは2016年6月10日、グロービス・キャピタル・パートナーズと共同で手掛ける「ヘルステックプログラム」のメンターリングキックオフミーティングを東京都内で開催した。

 同プログラムはヘルスケアベンチャーの支援を通じ、ICTを活用したヘルスケアビジネスの土壌づくりを狙うもの(関連記事)。事業化に必要な知見やノウハウ、ネットワークをMSDとグロービス・キャピタル・パートナーズがヘルスケアベンチャーに無償で提供する。

約200社の候補から選定

 キックオフミーティングには、支援先に選ばれた3社、「認知症総合支援機構」「ミナカラ」「エクスメディオ」が登壇。各社のビジョンや経営課題、メンターリング(対話を通じた育成)の内容、想定する結果などに関してプレゼンテーションを行った。

 同プログラムでは支援企業の募集を同年1~2月に開始。約200社の候補からまずは23社に絞り、そこからさらに絞り込んだ。支援を決定した3社とは「フォーカスがばっちりあった」(MSD 経営戦略部門 ビジネス・イノベーション・グループ ディレクターの樋渡勝彦氏)。

 挨拶に立ったグロービス・キャピタル・パートナーズ シニア・アソシエイトの福島智史氏は、メンターリングを通じ「数カ月で何らかの成果を出したい。『ここは頑張ってもうまくいかない』といったことを伝えるのも重要な仕事。互いに率直な議論をぶつけられたらいい」と話した。