「服薬アドヒアランスを改善する、革新的な解決方法を募集します」――。バイエル薬品は2016年3月、オープンイノベーションプログラム「Grants4Apps Japan」のキックオフイベントを開催し、その場でこんな“お題”を出した(関連記事1)。

 同プログラムでは、バイエルが提示した課題を解決するデジタルヘルス技術を募集。最優秀の解決策に対して100万円を助成する。ドイツ本社で先行して始めていた同様のプログラムを、日本でも展開しようという試みだ。

 Grants4Apps Japanは、ここにきて加速している“製薬業界×デジタルヘルス”の流れを象徴する取り組み。医薬品の提供にとどまらないビジネスを、デジタルヘルス分野のベンチャーとともに生み出していく。そうした取り組みに、製薬業界のプレーヤーがこぞって本腰を入れ始めた。

 デジタルヘルスは、製薬業界の将来にどのようなインパクトをもたらすのか。バイエル薬品でGrants4Apps Japanを主導する菊池氏に聞いた。

バイエル薬品の菊池氏(写真:加藤 康、以下同)
バイエル薬品の菊池氏(写真:加藤 康、以下同)
[画像のクリックで拡大表示]

(聞き手は大下 淳一=日経デジタルヘルス)