「環境価値」のマネタイズ

 太陽光発電による電気は再エネの一つであり、 「RE100」の目標達成に使用可能である。したがって、太陽光発電が将来、FIT電源でなくなった場合には、環境価値を訴求し、化石燃料由来電源との差別化が有効である。

 それでは環境価値を売却した時にはどのくらいで売れるのであろうか。Jクレジット制度は CO2削減証書を入札方式で売却しているが、その価格が公表されている。

 それによるとまだ高いボラタリティがあるものの1t‐CO2 当たり1000円前後と考えてよいだろう。これを 0.5kg-CO2/kWhで換算すると、0.5円/kWhとなる。電力取引は非常に薄利であるため、この50銭は大きいと見る向きが多いだろう。したがって、太陽光発電が FITから外れた場合には、一般電力の価値+50銭で勝負していくことになる(図4)。

図4●Jクレジットの入札結果
図4●Jクレジットの入札結果
(出所:Jクレジット制度事務局)
[画像のクリックで拡大表示]

 「RE100」は再エネの推進にフォローの動きだが、非化石証書の取り扱いを適切にしなければ、RE100に適格な電源とならない。環境価値は売買させるものである、という認識のもとで事業計画を作ろう。