「非化石価値取引市場」を創設

 経済産業省は、2017年度中に非化石電源から“非化石価値”を分離して証書化し、実電気と分けて取引きする「非化石価値取引市場」を 創設する。

 この市場取引の特徴は、電気と 「CO2排出係数がゼロである」ことの価値を分離し、それぞれ別財として取引することである。今まで使用不可能であった FIT電源の環境価値を分離して取引可能とし、それを電力小売り事業者へ売却することで、電力賦課金の負担を軽減することとした。

 「再エネ電気であることの価値」と 「CO2排出量がゼロであること」の価値は異なるという意見もあったが、電気と環境価値を分離することで、「環境価値≒ CO2ゼロ」という建て付けにした。つまり、環境価値の需要者が CO2排出係数の調整のためだけに使用することから、環境価値は 「CO2排出係数がゼロであること」となった。

 ただ、 「RE100」のように単に 「CO2排出量がゼロであれば良い」のではなく、あくまで再エネ電源にこだわった場合には、原子力発電由来の非化石証書は使用不可能とならざるを得ない。原子力由来の証書も取引可能となれば市場価格の暴落が予想されるため、市場関係者が注目している(図3)。

図3●「非化石証書」区分の方向性
図3●「非化石証書」区分の方向性
(出所:経済産業省)
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