再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)が改正され、2017年4月1日より施行された。第2回目の本稿では、FIT制度5年間の再エネビジネスを概観し、改正FITによるこれからのビジネスシーンを予想する。

5年間の導入量は33GW超える

 FIT制度が始まって5年が経過した。確実に成果を出した制度と言えるものの、太陽光発電への偏重、再エネ賦課金の増大、未稼働案件の増大などの問題も顕在化した。これらを是正すべく、改正FIT制度へつながったが、今回はまず実績をみてみよう。。

 どのくらいの導入量があったかをまとめると、FIT制度5年間の再生可能エネルギーの新規導入量は33.65GWに達し、太陽光が全体の95%、風力が2%、バイオマスが2%を占めることになった。認定容量をみると、約88GWのうち、約80GWが太陽光であり、認定済みだが、まだ稼働していない発電設備として、太陽光が目立つ(図1)。

図1●2016年12月における再エネ導入容量と認定容量
図1●2016年12月における再エネ導入容量と認定容量
(出所:経済産業省・統計資料より著者作成)
[画像のクリックで拡大表示]

 再エネの普及状況を海外と比較すると、どうなるのだろうか。日本がベンチマークとしている欧米諸国と比較して、ドイツには及ばないものの、米国や英国と同程度の水準になってきている。FIT制度の成果の1つとして、欧米諸国に大きく遅れをとっていた再エネの普及率が、ようやく同レベルになったことも挙げられるだろう(図2)。

図2●主要国の電源構成と再エネの比率
図2●主要国の電源構成と再エネの比率
(出典:経済産業省)
[画像のクリックで拡大表示]