デジタルヘルス・インサイド
目次
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内視鏡画像からAIが腫瘍を識別、その実力は?
国内初承認の診断支援プログラムが年内発売へ
内視鏡画像を人工知能(AI)が解析し、わずか0.4秒で腫瘍か非腫瘍かを識別する――。そんな大腸内視鏡診断支援ソフトウエア「EndoBRAIN(エンドブレイン)」が医療機器として国内で承認された。
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島根県益田市で市民の血圧や尿成分を測定するワケ
血圧はなぜ上がるのか、解明目指す
「IoTを活用して、血圧変動の要因を解明したい」――。そんな思いで、島根県益田市が取り組んでいるのが、「益田市スマート・ヘルスケア推進事業」である。市民のバイタルデータを測定し、血圧変動の要因解明や個人に合わせた血圧管理の実現を目指したプロジェクトだ。
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倉敷中央病院が目指すブリリアントホスピタルとは?
AIやIoTを駆使し医療の質や患者満足度を上げる
倉敷中央病院(岡山県倉敷市)とGEヘルスケア・ジャパンは2018年11月2日、機械に通信機能を持たせた製品(IoT)や人工知能(AI)を駆使した「ブリリアントホスピタル」構想を実現するための包括契約を締結したと発表した。医療スタッフの導線や滞在分布、医療機器の稼働状況を分析することで、医療スタッフや…
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スマホに話してカルテ入力、動き出す病院の働き方改革
「入力時間7割減」をどのように実現したのか
医療従事者の働き方改革や人手不足が叫ばれる今、その対応策についてさまざまな取り組みや議論が進んでいる。こうした中で愛媛県四国中央市の石川記念会HITO病院では、ICTを活用した業務効率化によって患者へのサービス向上と働きやすい環境作りを両立している。その1つがスマートフォン(スマホ)を活用した音声認…
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政府が進める「AIホスピタル計画」とは何か?
プロジェクトディレクターを務める中村祐輔氏に聞いた
政府はこのほど、診断や治療に人工知能(AI)を活用する「AIホスピタル」の実現に向けた研究開発計画を発表した。AIが臨床にどのように役立ち、医師の働き方はどう変わるのか。プロジェクトディレクターを務める、がんプレシジョン医療研究センター所長の中村祐輔氏にその未来像を聞いた。
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暗い術野を照らせ! 「発光する鈎」は何がすごいのか
小切開手術に役立つコードレス鈎の活用シーンに迫る
開腹手術を行う際、術野の奥まで無影灯の光が届かず、患部が見にくい――。そんなとき、術者の“ともしび”となる鈎が登場した。LED照明を搭載したコードレス鈎「コウプライト(koplight)」だ。鈎の先端が発光して術野深部を明るく照らす。先端部は樹脂製で、電気メス使用に伴う熱傷や、強い力が加わった際の破…
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経産省による“優良ベンチャーえこひいき”のワケ
「J-Startup」、デジタルヘルスベンチャーが多数選出
世界で戦って勝てるベンチャーを選抜し、官民の集中支援を通じてグローバルでの成功事例を作る――。経済産業省は2018年6月、そんな目標をうたうベンチャー支援策「J-Startup」プログラム(以下、J-Startup)を立ち上げた。あまたのベンチャーから有望な企業を「えこひいき」(経済産業大臣の世耕弘…
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「AIで入院患者の不穏予知」、北原国際病院の挑戦
NECと共同開発、看護師の負荷はどれだけ減るのか?
点滴やドレーンを抜去したり、暴言を吐いて暴れたりする――。こうした入院患者の不穏行動は医療者側の大きな負担となっている。予兆を検知し、不穏が生じる前に介入することで医療者側の負担を軽減するため、患者のバイタルデータを使って不穏行動の予兆を検知するシステムの開発が進められている。事前介入によって不穏行…
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3つの「壁」と向き合え――未来への処方箋
日経デジタルヘルス座談会「情報化が切り拓く、ソーシャルホスピタル実現への処方箋」を踏まえて
今回の座談会を通して浮かび上がった未来への処方箋とは何か。それは、3つの「壁」と向き合うことではないだろうか。すなわち、(1)医療を担う各職種の役割の「壁」、(2)医療従事者と患者・生活者の情報共有の「壁」、(3)新たな仕組みの社会実装に向けた規制や持続性の「壁」、である(図1)。これらの壁をどう…
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“七変化する診察室”、働き方は変わったか
グッドデザイン賞を受賞した恵寿総合病院の「ユニバーサル外来」
2017年秋、暮らしや社会をより良くするデザインに与えられるグッドデザイン賞を、ある「診察室」が受賞した。恵寿総合病院(石川県七尾市)が2014年に導入した「ユニバーサル外来」だ。外来診療形態を変革した大胆な取り組みが評価された。この診察室の導入は、現場の医師や看護師の働き方をどう変えたのか――。
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“ジェネリック医療機器”を検証している工場を見た
「再製造SUD」、その実現に向けて見えてきた課題
1回限り使用することとされている医療機器、いわゆる単回使用医療機器(Single-use device、SUD)。カテーテルや血管シーリング(封止)デバイス、電気メスの替え刃などその種類は多岐に渡る。そのため医療機関では、使用済みSUDが日々大量に廃棄されることが問題になっていた。
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術中に肉眼では分からない癌やリンパ節が光る!
広がる蛍光ガイド手術
蛍光物質を投与し、癌や血管、リンパ節を術中に光らせて手術成績を向上させる──。そんな蛍光ガイド技術の保険適用範囲が今年1月に拡大し、「日本蛍光ガイド手術研究会」も立ち上がった。従来の血管造影と異なり、術中にリアルタイムで見たい組織を特異的に光らせる新技術は、外科領域のスタンダードとなりそうだ。
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これが「8K腹腔鏡」手術の実力だ
毛細血管まで鮮明、高精細映像は手術をどう変える?
「髪の毛1本分ほどの毛細血管まで鮮明に見ることができる」――。そんな高精細な映像を映し出せる「8K」(画素数横7680×縦4320ピクセル)技術を用いた大腸癌の腹腔鏡手術の臨床試験が、今まさに国立がん研究センターで行われている。高解像度の映像を用いた内視鏡手術の利点と、実用化までの課題を探った。
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日立と三菱、粒子線事業の統合で目指すもの
治療機器分野で、国内メーカーにとって悲願の世界一へ――。そんな目標を掲げ、がんをピンポイントで死滅させる粒子線がん治療装置で大きな勝負に出たのが日立製作所だ。2017年末、ライバルの三菱電機から粒子線治療装置事業を買収することを発表して関係者を驚かせた。2018年6月までをめどに事業統合を完了させる…
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「仕事付き高齢者向け住宅」ってどんなもの?
課題は報酬、伸こう福祉会と東レ建設のモデル事業で見えてきたこと
介護施設などで高齢者に仕事をしてもらい、社会参加を促すことで生涯現役社会を実現する。そんなコンセプトで経済産業省が提唱しているのが、「仕事付き高齢者向け住宅」である。2017年12月から仕事付き高齢者向け住宅のモデル事業を行っているのが、社会福祉法人 伸こう福祉会と東レ建設だ。モデル事業を通じてどん…
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田中耕一氏に聞く、アルツハイマー病変早期検出の意義
ノーベル賞技術を活用、わずか0.5mLの血液から
わずか0.5mLの血液からアルツハイマー病変を超早期に検出する――。そんな技術を島津製作所と国立長寿医療研究センターが確立した。今回の成果はアルツハイマー病の診断や治療にどう寄与する可能性があるのか、田中氏など開発チームに話を聞いた。
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東芝、経営危機でも「重粒子線」を残したワケ
2018年の年明け、キヤノン傘下で新しい医療機器メーカーが誕生した。「キヤノンメディカルシステムズ」。2016年12月にキヤノンが買収した旧・東芝メディカルシステムズだ。X線CT装置で国内首位のシェアを持つ画像診断装置大手である。
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da Vinci手術の保険適用、一挙拡大のワケ
東京医科歯科大が「緊急勉強会」、第一人者が背景解説
米Intuitive Surgical社の内視鏡手術支援ロボット「da Vinci Surgical System(通称:ダヴィンチ)」を使う手術、いわゆるダヴィンチ手術の保険適用対象が今春、一挙に拡大する。2018年1月17日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)総会で、肺がんや食道がん、…
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ブロックチェーンは医療にどう活用できるのか
「ビットコイン」に代表される仮想通貨を支えるブロックチェーン技術。これを医療に応用しようという動きが出てきた。電子カルテをはじめとする医療・健康情報記録の共有、医薬品のサプライチェーン管理などへの活用が見込まれている。
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グッドデザイン賞を受賞した「診察室」って…
恵寿総合病院のユニバーサル外来に迫る
グッドデザイン賞を受賞した「診察室」。社会医療法人財団 董仙会 恵寿総合病院が、3年前から運用する「ユニバーサル外来」だ。ユニバーサルデザインの視点で外来診療形態を変革した大胆な取り組みが評価され、2017年グッドデザイン賞の「グッドデザイン・ベスト100」をはじめ、「グッドデザイン特別賞【未来づく…