世界的にも睡眠時間が少ない日本の中学生

 日本の中学生の睡眠が問題視されていることも、中学生を対象にした理由の一つだ。国立睡眠財団(NSF)では、6~13歳であれば9~11時間、14~17歳は8~10時間という具合に年齢に応じた推奨睡眠時間を設定している。しかし、日本人の睡眠時間は平均すると7時間を下回り、世界的に見ても短い。特に、「小学校高学年から中学生に上がるタイミングで極端に睡眠時間が短くなる」(山下氏)ことを危惧し、中学生に目を付けたというわけだ。

 中学生になると睡眠時間が減少する理由としては、体力が付いて夜更かしができる状態になることや学習塾や部活などさまざまな社会的活動に参加すること、携帯電話やスマートフォンを持ち始める年齢であることなどが考えられるという。

 実際、睡眠不足によって義務教育中の中学生が勉強に身が入らない状況が目立っているようだ。トライアルに協力する学習塾からは、「眠気を抱えた状態で学習塾に通う中学生が多く、指導が難しい」という声も多く寄せられたという。教育機関である学習塾の立場としては、学習指導を行うために眠育を推進したい考えだ。

 NTT西日本としては今後、Peelsを学習塾だけでなく学校や企業に導入することも検討しているという。