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遠隔診療の厚労省新通知、識者6人はこう読み解いた

禁煙外来とツールへの言及を歓迎、「現場の運用がより問われる」の声も

2017/08/07 10:30
大下 淳一=日経デジタルヘルス

 厚生労働省は2017年7月中旬、「情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」について)」と題する通知(医政発0714第4号)を医政局長名で発出した(関連記事1同2)。スマートフォンやパソコンのビデオチャット機能などを使い、インターネットを介して医師が診療を行う遠隔診療(オンライン診療)に関して、その基本的考え方や医師法第20条などとの関係から留意すべき事項を示した「平成9年遠隔診療通知」の内容を再度周知し、明確にすることを目的としたもの。同様の趣旨で厚労省が2015年8月10日に医政局長名で出した事務連絡を補足する内容だ。

今回の通知の冒頭
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 2015年8月10日の事務連絡は、遠隔診療の活用に関して厚労省がいわば“お墨付き”を与えたという受け止めがなされ、民間の遠隔診療サービスが相次ぎ立ち上がるきっかけとなった。この事務連絡から約2年を経て出された今回の通知も、遠隔診療のこの先の動向に大きな影響を与えることは間違いない。そこで日経デジタルヘルスは、今回の通知をどのように読み解いたか、すなわち明確になった点やそうでない点、遠隔診療の活用現場に与える影響などについて、下記の6人の識者からコメントを得た。本誌が2017年9月14日に開催するセミナー「動きだす遠隔診療」の登壇者を中心に、医師やサービス事業者、研究者などそれぞれ異なる立場から遠隔診療に携わってきた専門家達である。

(50音順)
加藤 浩晃氏(京都府立医科大学 眼科学教室 特任助教/日本遠隔医療学会 遠隔診療モデル研究分科会長)
園生 智弘氏(日立総合病院救急科/東京大学救急科学/ポート 医学研究チーム)
田村 雄一氏(国際医療福祉大学 三田病院 肺高血圧症センター准教授)
豊田 剛一郎氏(メドレー 代表取締役医師)
原 聖吾氏(日本医療政策機構 フェロー/情報医療 代表取締役)
武藤 真祐氏(医療法人社団 鉄祐会 理事長/インテグリティ・ヘルスケア 代表取締役会長)

そもそも今回の通知とは…

 まずは、今回の通知のポイントを整理しておこう。この通知に先立つ2015年8月10日の事務連絡では、遠隔診療の解釈について大きく3点が明確化された(関連記事3)。(1)遠隔診療の適用が可能な対象を、平成9年遠隔診療通知で例示した「離島やへき地の患者」に限定しないこと、(2)遠隔診療の適用疾患や診療内容を、平成9年遠隔診療通知で例示した9種類に限定しないこと、(3)対面診療と適切に組み合せて行われるのであれば、初診を遠隔診療とすることも可能であること、である。今回の通知ではこれら3点を再確認するとともに、「保険者が実施する禁煙外来」と「遠隔診療に利用するツール」に関する内容が新たに加わった。具体的には次の二つの記載である。

「保険者が実施する禁煙外来については、定期的な健康診断・健康診査が行われていることを確認し、患者側の要請に基づき、患者側の利益と不利益を十分に勘案した上で、医師の判断により、直接の対面診療の必要性については柔軟に取り扱っても直ちに医師法第20条等に抵触するものではないこと。なお、患者側の理由により診療が中断し、結果として遠隔診療のみで診療が実施された場合には、直接の対面診療が行われなくとも直ちに医師法第20条等に抵触するものではないこと」

「平成9年遠隔診療通知の「1 基本的考え方」において、直接の対面診療に代替し得る程度の患者の心身の状況に関する有用な情報が得られる場合には、遠隔診療を行うことは直ちに医師法第20条等に抵触するものではないと示しているとおり、当事者が医師及び患者本人であることが確認できる限り、テレビ電話や、電子メール、ソーシャルネットワーキングサービス等の情報通信機器を組み合わせた遠隔診療についても、直接の対面診療に代替し得る程度の患者の心身の状況に関する有用な情報が得られる場合には、直ちに医師法第20条等に抵触するものではないこと」

日経デジタルヘルス Special

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