グッドデザイン賞を受賞した「診察室」。社会医療法人財団 董仙会 恵寿総合病院が、3年前から運用する「ユニバーサル外来」だ。
ユニバーサルデザインの視点で外来診療形態を変革した大胆な取り組みが評価され、2017年グッドデザイン賞の「グッドデザイン・ベスト100」をはじめ、「グッドデザイン特別賞【未来づくり】」「グッドデザイン賞 審査委員セレクション(私の選んだ一品)」の3賞に輝いた。
ユニバーサル外来の特徴は、一言でいえば「どの診療科でも使える診察室」である。外来患者数に応じて柔軟に診察室を割り当て、混雑を緩和するとともに、患者も複数科を行ったり来たりする負担を軽減できる。
こうした外来形態はネームレス外来とも言われる。患者の予約状況によって一診療科の診察室数を増減させたり、当日の勤務医数に応じた診察室数を調整したり、あるいは1人の医師が2診を交互に使用して診察効率を高めるといった使い方ができる。
過去にも新外来棟建設の際に多くの病院で考えられた形態だとされるが、実際に全面的に導入した施設はほとんどない。ありそうでなかった画期的な取り組みを恵寿総合病院はなぜ実現にこぎ着けたのか、グッドデザイン賞を受賞できたワケに迫った――。