本座談会の中で「難解」との指摘があった「3省4ガイドライン」についてですが、このガイドラインは4年間改定していません。このため、スマホやタブレット端末が普及する以前の常識で作られているというのが問題です(関連記事)

総務省 情報流通行政局 情報流通高度化推進室 室長の吉田宏平氏(写真:加藤康、以下同)
総務省 情報流通行政局 情報流通高度化推進室 室長の吉田宏平氏(写真:加藤康、以下同)
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編集部注)「3省4ガイドライン」は、電子カルテなどの医療情報をパブリッククラウドなどに保存する際に遵守する必要があるガイドライン。厚生労働省、経済産業省、総務省が出している4つのガイドラインを指す。

 もちろん、各省庁としても改定するつもりで動いています。「クラウドをどれだけ安心して利用できるか」を主眼に置いた話し合いが進んでいます。

 その際のポイントとなるのは、「分かりやすさ」でしょう。分かりやすくすることでルールの理解を促し、遵守状況を高めていくつもりです。もちろん、改定のタイミングをはかり、内容が古くならないようにする努力も必要となるでしょう。

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 総務省としては今年、厚生労働省とともに地域医療ネットワークの相互接続などの運用における実証実験を開始する予定です。きちんと実証結果をまとめ、ガイドラインを策定したいと考えています。

 医療における広域連携は、全国レベルのシステムを1から作るのではなく、すでにある各地域の医療連携のネットワークを結合し、そこで情報交換することを想定しています。とはいえ、全国にある約250の医療連携ネットワークの中で、介護や薬剤師をなども含めた医療全体をカバーできているネットワークは多くありません。当然、その点は今後改善していく必要があるでしょう。(談)