ネット系技術者で電子技術を使った“メイカー"でもある、GMOインターネット 特命担当技術分析官の新里 祐教氏が気にするのが“互換性"だ。これはメイカーに限った話ではなく、一般の企業でも基本的には同じだ。今回遊んでいる米ON Semiconductor社(以下、ON Semi社)のIoT Development Kitは、Arduino Shield互換でハードの互換性に配慮があった。さらにSDK(Software Development Kit)を見ていくと、ソースコードでも互換性に対する配慮があることがわかった。

 まずは米ON Semi社が提供するIoT Development Kit(以下、IDK)のSDKを使ってLEDの点灯、通称“Lチカ"をやってみる。ハードウエアとして主に使うのは、IoT Development Kitの基本となるベースボード(Base Board、BB-GEVK)だ。

 IDKでファームウエアをプログラミングしてアプリを作るには、ON Semi社が提供するSDKを利用する必要がある。Windows環境で利用できるSDKは無料で提供されており、ON Semi社のサイトからダウンロードして利用することができる。SDKは、オープンソースの統合開発環境(IDE)であるEclipseベースのC/C++環境だ。多数のサンプルが用意されており、とても簡単にアプリをビルドして実行できる。作ったアプリは、パソコンとIDKのベースボード「BB-GEVK」をUSBケーブルで接続して書き込み、実行する。

図2.1 IDK開発ツール
図2.1 IDK開発ツール
ON Semi社が提供するIDKの統合開発環境(IDE)はEcilpseベースで動作する。サンプルが充実している点もさることながら、それ以上に素晴らしいのが、英Arm社の 「mbed API」が実装されていて、そのまま利用することができる点だ。
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