ネット系技術者で電子技術を使ったメディアアート作品の製作も手掛ける、GMOインターネット 特命担当技術分析官の新里 祐教氏が各社の「IoT開発キット」で“遊ぶ"本シリーズ。今回は米ON Semiconductor社(以下、ON Semi社)のIoT Development Kitを取り上げる。同社のIoT Development Kitはベースボード(Base Board、BB-GEVK)を基に、無線通信基板やセンサー基板など必要な要素を付け加えることで使用する方法を採用している。入力となるセンサー類だけでなく、同社らしくモーターなど接続できる出力デバイスにも注力している。見た目は従来の半導体用開発ボードのような雰囲気をたたえているが、その使いやすさやいかに…。
自分にとってON Semi社といえば、車載やパワー系ドライバーICが主力商品というイメージがある。そんな同社のIoT向けキットと言われると意外にも思えたが、IoTのうち“Things側"の駆動などに同社の半導体が欠かせないという面もあるだろう。同社のIoT Development Kit (IDK)に触るのは、今回が初めてだ。
IDKは「Arm Cortex-M3」マイコンを搭載したベースボードをメインとして利用する。ボード上には4個のボタン、画面出力として液晶ディスプレーが搭載されているほか、外部向けのコネクターとしてArduio Sheildソケット、Pmod(米Digilent社)のコネクターを2個利用できる。この外部向けのコネクターに、センサーやアクチュエーター用のドライバーを接続して利用する。