前回に引き続き、米Texas Instruments社(以下、TI社)の「SimpleLink SensorTagキット」(以下、SensorTag)のうち、Wi-Fi接続方式の「CC3200STK-WIFIMK」(SimpleLink Wi-Fi CC3200 SensorTag)を新里 祐教氏が試用していく。以前SensorTagを使ったことがあるという、ネットサービス企業であるGMOインターネット 特命担当技術分析官の新里氏。その“慣れ"に潜む思わぬ落とし穴が、本連載“最大の危機"に。はたして無事、SensorTagを使って遊ぶことはできるのだろうか。

 筆者が以前購入したBluetooth版のSensorTag「CC2650STK」では、開発用のデバッガー「DevPack」を端末に接続し、TI社が提供する統合開発環境(IDE)である「Code Composer Studio」を利用する事で、SensorTagにアクセスできた。例えば、SensorTagに書き込んであるファームウエア(firmware)のバックアップや書き込みはもちろん、自分でファームウエアを開発することも可能だ。

図2.1 Code Composer Studio
図2.1 Code Composer Studio
TI社のマイコン及び組み込みプロセッサー向け統合開発環境であるCode Composer Studioを利用して「CC3200」のMCUを開発しようと考えた。
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 この手のIoT向け端末ではファームウエアを開発することで、独自のアプリケーションを作って利用できる。例えば前回利用した伊仏合弁STMicroelectronics社のSensorTileでは、統合開発環境(IDE)のEclipse上でSensorTile用のファームウエアを開発して独自のアプリケーションを組み込める。実際に自作ロボットアームを動かせるよう、ファームウエアも開発した。このように、端末上で何か独自のアプリケーションを開発して利用したいと思ったときは、ファームウエアを開発して端末に組み込むことになる。