IoTに特化してハードウエアからOS、セキュリティ、API、クラウドサービスまでを統合して提供する、米Electric Imp社の開発用ハードウエア「impExplorer Developer Kit」(以下、impExplorer)を使って遊ぶ、第3回目。開発環境、単体動作(前々回の記事)と接続した部品との連携(前回の記事)が確認できたところで、いよいよネットを介した機器との連携を試してみよう。話題の音声認識機能「Amazon Alexa」との連携を、ネットサービス企業のGMOインターネットで特命担当技術分析官を務める技術者の新里 祐教氏が遊んでみる。

 今回がいよいよ本丸。米Amazon.com社の音声認識・対話機能基盤「Alexa」のいわゆるスマートホーム用デバイスの操作・管理機能である「Smart Home Skill」と連携させてみる。具体的には、impExplorerの温度センサーを利用して、「気温を教えて」と聞くと室内の温度を教えてくれるアプリを作成する。impExplorerをスマートホーム用のデバイスとして利用するというもくろみだ。

話題のIoT機器「Amazon Echo」と連携させてみる

Amazon.com社の「Amazon Echo」
Amazon.com社の「Amazon Echo」
(写真:Amazon.com社)
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 まず、Amazon Alexaについておさらいしておこう。Amazon.com社は音声で操作する端末「Amazon Echo」(以下、Echo)を2014年に発売した。ニュースで見た記憶がある人も多いだろう。自然言語で話しかけて、音楽を流したり天気を教えてくれたり、ピザなどの宅配をしてくれるスピーカーだ。

 なお、ここではEchoをAIや音声認識ではなく、あえて「スピーカー」と呼んでいる。というのも、Amazon.com社自身は「Amazon Echo is a hands-free speaker you control with your voice.(音声で操作するハンズフリースピーカー)」と表現しているからだ(製品紹介ページ)。Echoを「スピーカー」として売り出している点が、広く一般に使われている要因の1つであると筆者は考えている。