今回試用するのは、IoTに特化してハードウエアからOS、セキュリティ、API、クラウドサービスまでを統合して提供する、米Electric Imp社のIoT開発キットだ。同社は、米Apple社のiPhoneや米Nest Labs社のThermostatのハードウエア設計などに関わったHugo Fiennes氏らが2011年に創立した企業で、台湾Foxconn Technology Group(鴻海)などが出資している。

 日本では、IoT製品の商品化を支援するソフトバンクのプラットフォーム「+Style」が開発用キット2製品の販売を2017年4月に開始し、Electric Imp社の提供するクラウドを使ったIoT開発が日本でも可能となった(プレスリリース)。ネットサービス企業のGMOインターネットで特命担当技術分析官を務める技術者の新里 祐教氏も大興奮な、その製品仕様から紹介しよう。

 今回は米Electric Imp社のIoT開発キットシリーズ「IoT QuickStart Family」のIoT向け端末、「imp004m Breakout Board」「impExplorer Developer Kit」と、Web IDE(統合開発環境、Integrated Development Environment)プラットフォームを利用して遊んでみる。同製品は、ソフトバンクが展開する最先端のIoT製品販売・クラウドファンディングを手掛けるサイト「+Style」から入手できる。

Electric Imp社のIoT開発キットシリーズ「IoT QuickStart Family」
Electric Imp社のIoT開発キットシリーズ「IoT QuickStart Family」
「imp004m Breakout Board」と「impExplorer Developer Kit」。同社のロゴマークは社名(imp)にちなんだ小鬼(写真:ソフトバンクのプレスリリース)
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Web IDEの秀逸さが最大の特徴

 先に結論を言ってしまうと、今回のElectric Imp社製品は、端末のWi-Fi設定に可視光通信を用いる「BlinkUpテクノロジー」を用いるといったユニークな特徴を備えるだけでなく、Web IDEが秀逸な点が最大の特徴である、と筆者は感じている。まるで「クラウドと端末が1つに融合している」かのような印象を受けた。