ネットサービス企業のGMOインターネットで特命担当技術分析官を務める技術者の新里 祐教氏が、IoT(Internet of Things)開発キットで遊んでみる連載企画の第4弾は、ロームの「センサメダル(SensorMedal-EVK-001)」(1万4700円(税別))を取りあげる。この製品は、加速度、気圧、地磁気、角速度の4つのセンサーと無線通信機能、制御用マイコンを備えたメダル型評価キット。2016年3月に発売された。組み込まれた4つのセンサーはローム製。Bluetooth Smart対応の2.4GHz無線通信モジュールと16ビットマイコンはグループ企業のラピスセミコンダクタ製品と典型的な「評価キット」だ。ネット通販で入手可能にするあたりメイカーズのような個人開発者への目配りも感じる。(編集部)

 今回はロームの「センサメダル(SensorMedal-EVK-001)」を使って遊んでいこう(製品紹介ページ)。500円玉くらいのサイズの基板に、加速度センサー、地磁気センサー、ジャイロセンサー、気圧センサーといった多様なセンサーとBluetoothの通信機能、制御用のマイコンを搭載する(図1)。Bluetoothでセンサメダルにアクセスすると、それらのセンサーのデータをリアルタイムで取得できる。

図1 ローム「センサメダル」外観
図1 ローム「センサメダル」外観
500円玉より若干大きいサイズ。
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 センサメダルが搭載するセンサーのうち、加速度センサーや地磁気センサー、ジャイロセンサーは、よくスマートフォンに搭載されているので、これらのセンサーを使うアプリを開発したり、利用したりした経験を持つエンジニアは多いだろう。一方、気圧センサーは現時点ではそれほど広くは普及しておらず、活用した経験がある技術者はそれほど多くはないはずだ。

 気圧センサーはその名の通り、気圧をパスカル(Pa)単位で取得できるセンサー。小型品が登山用腕時計などに搭載されているほか、最近ではドローンの高度計としてもよく使われる。高さが変わると気圧も変化するのを利用して、物や人の落下・転倒を検知する用途でも利用されている。

両面実装×2枚の円形基板で構成

 センサメダルの円形基板は2枚構成である。各種のセンサーは上基板の表面と裏面(中面)に搭載される(図2)。上基板にはこのほかBluetoothモジュールやマイコンなどが実装されている。下基板は裏面にコイン電池(CR2450)ホルダー、表面に電源スイッチを備える。上基板と下基板はそれぞれ、コネクター(AXK6F10347YG、パナソニック製、0.5mmピッチ)でそれぞれ接合するようになっている。