ネットサービス企業のGMOインターネットで社長直轄の特命担当技術分析官を務める技術者の新里 祐教氏が、IoT(Internet of Things、モノを介したインターネットサービス)開発キットで遊んでみる連載企画の第3弾は、ロームグループの半導体メーカー、ラピスセミコンダクタの低消費電力マイコンボード「Lazurite(ラズライト) Sub-GHz」を今回から3回で取りあげる。この製品は、同社の低消費電力マイコン「ML620Q504H」を搭載し、特定小電力(920MHz帯)無線通信モジュール(「技適」承認取得済み)を同梱する開発キットで、IoTのセンサーノードを容易に開発できる特徴がある。(編集部)。

 今回は、ラピスセミコンダクタから提供を受けた無線通信モジュールを備えた低消費電力マイコンボード「Lazurite(ラズライト) Sub-GHz」で遊んでみる。

今回遊んでみたラピスセミコンダクタの「Lazurite(ラズライト) Sub-GHz」
今回遊んでみたラピスセミコンダクタの「Lazurite(ラズライト) Sub-GHz」
920MHz帯無線通信モジュールを取り付けた状態。設計はArduinoを意識しており、拡張コネクターのサイズやピンアサインなども互換性があるという
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 ラズライトはラピスセミコンダクタのマイコンボード・周辺モジュール・開発環境などから成るリファレンスデザインのシリーズだ(紹介ページ)。「ラピスセミコンダクタの低消費電力マイコンと無線を使った、誰でも使えるArduino(アルドゥイーノ)風マイコンボードを作ってネットで販売しよう」というコンセプトで企画開発されたそうだ。

Arduinoより簡単で低消費電力と自称

 Arduinoはオープンソースで設計図が公開されたマイコンボードである。この設計に基づくマイコンボード製品を様々な企業が手掛けており、電子工作(メイカーズ)あたりでは非常に多く利用されている。また最近はIoT開発でもよく利用されている。ラズライトも同じような用途を想定する。本家のArduinoに比べても低消費電力設計で、さらに様々な試行錯誤やテストが「簡単にできる」を特徴に掲げている。