よい商品を造れば儲かる時代は既に終わり、新たなビジネスモデルを創らなければならないという主張は、珍しいものではなくなりました。しかし、ビジネスモデルの企画を体系立てて進めている企業はまだ多くはありません。その理由の1つとして、企業が成功事例のグルーピングによりビジネスモデルの類型化を進めていることが挙げられるでしょう。

 例えば、基本的な製品・サービスは無料で提供し、高度な機能や特別な機能について課金する仕組みである「フリーミアム」というビジネスモデルや、インターネットにおいて販売機会の少ない商品でもアイテム数を幅広く取り揃え、顧客の総数を増やすことでビジネスを拡大させる「ロングテール」というビジネスモデルが、この例として挙げられます。このように、成功事例を基にしてビジネスモデルを類型化するパターンは多数に及びます。

 しかし、いずれも過去の成功事例に限定されるため、新しいビジネスモデルを考えることが困難となります。そこで、ここではまず基本を押さえる意味で、What、Who、Whenの3つの視点を組み合わせ、8つのパターンでビジネスモデルを分類する方法を紹介します。

 やや抽象化され粗い分け方になりますが、過去のビジネスモデルを咀嚼し、自分なりの新しいビジネスモデルを考えるに当たり、起点となるものです。