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HOMEものづくり技術を強みとした新規事業開発の教科書 > 声の大きい上位者が新規事業開発を阻害していないか?

技術を強みとした新規事業開発の教科書

声の大きい上位者が新規事業開発を阻害していないか?

中立なファシリテーターを活用し、プロセスをマネジメントせよ![第21回]

  • 宇野暁紀=PwCコンサルティング
  • 2017/02/02 00:00
  • 1/4ページ

 新規事業開発の推進中、一度コンセプトを固めたにもかかわらず、上位者からのアドバイスを受けてコンセプトを大幅に変更してしまうというケースを多く目にします。新規事業をブラッシュアップするために、多くの有識者から建設的意見を受けることは大切です。しかしながら、上位者のアドバイスを反映させることのみに意識を向けるあまり、事業の柱となるコンセプトを大幅に変更してしまっては本末転倒と言わざるを得ません。

 本来、新規事業を統括する立場の上位者は、新規事業を適切にマネジメントし、新規事業開発メンバーの事業推進をサポートする役割を担っています。しかしながら、上位者が不適切なマネジメントを行うことで、新規事業開発の阻害要因となってしまう可能性があります。

 今回は、新規事業開発をスムーズに推進するための適切なマネジメントについての考え方を紹介します。

上位者の関与が新規事業開発を阻害する2つの原因

 新規事業開発のマネジメントが適切に実施されず、上位者の関与が阻害要因となってしまう状況には、主に2つの原因が存在します。1つ目は、既存事業のバイアスに囚われたマネジメントを行うこと、2つ目は、上意下達の組織風土の中でマネジメントすることです。

1)既存事業のバイアス

 新規事業開発のマネジメントを担う上位者は、通常、既存事業で成果を上げてきた人材が就任します。既存事業に対する豊富な経験と高いスキルに基づいたアドバイスは、既存事業における目標達成を目指す上では、非常に有効な意見となります。しかしながら、既存事業とは特性が異なる新規事業においては、既存事業の成功体験に基づいたアドバイスは、的外れである可能性があります。このようなアドバイスは、新規事業の推進にあたっての障害となります。上位者は、既存事業のバイアスが新規事業のマネジメントに負の影響をもたらすことを理解し、新規事業の特性に合わせたマネジメントを心掛けることが大切となります。

2)上位下達の組織風土

 新規事業のコンセプトは「誰に(顧客)」「何を(価値)」「どのように(実現手段)」という要素で定義されます。アイデア創出の段階から新規事業のコンセプトを検討し、プロジェクトを進めながらコンセプトの確からしさを検証し、ブラッシュアップしていくことになります。この時、発言力のある上位者がコンセプトの内容そのものに意見を述べてしまうと、意見を取り入れざるを得ない空気が生まれます。結果として、当初描いていたコンセプトとは全く異なる事業企画が生まれることも珍しくありません。上意下達の組織風土を持つ企業であるほどこの傾向が強く、メンバーが本当に実現したい新規事業を推進することが困難となります。

 一般に、新規事業のコンセプトは、イノベーティブであるほど不確実性が高く、関係者の賛否が分かれる傾向にあります。このような状況の中、関係者の意見をすべて反映させてしまうと、イノベーティブであったコンセプトは、ありきたりなものに落ち着いてしまうでしょう。新規事業のコンセプトに対する関係者の意見を取り入れることは、不確実性に対する不安を和らげる効果はありますが、成果を上げることに対してはむしろマイナスの影響を与えるケースがあることを理解する必要があります。

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