東京五輪、大阪万博、NTT民営化、リクルート事件…。昭和日本の重大局面で、常に日本を鼓舞し続けた稀代の表現者、亀倉雄策。デザイナーの域にとどまらない亀倉の活動を振り返りつつ、デザインとは何か、東京オリンピックとは何か、エンブレム問題の本質、日本経済やデザインの復権に必要なことなどを、亀倉の生涯を綴った書籍『朱の記憶――亀倉雄策伝』(日経BP社)の著者でクリエイティブディレクターの馬場マコト氏と、同書の装丁を手掛けたグラフィックデザイナーの奥村靫正氏が語り合う。
オリンピックとデザイン ~朱の記憶を超えて~
目次
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デザインと社会を結びつけるものとは?
あの混乱と、アイデンティティーの行く末(後編)
実は「日本全体の幼児化」ということなのではないか。受け手が幼児化しているから、提供者側も幼児化したものを出さざるを得ないのか、提供者側が幼児化してしまったので、必然的に受け手も幼児化してしまったのか。どちらかは分かりませんが。
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五輪エンブレム問題と、デザインへの興味失った経営者
あの混乱と、アイデンティティーの行く末(前編)
2015年からのオリンピックエンブレムを取り巻く状況というのは、1970年の大阪万博のときに状況がよく似ていると思っています。大阪万博のときも、公式シンボルマークが一度決まりながらも、それが否決され、もう一度コンペをやり直すということが起きているんです。
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いま、デザインが見直されるべき理由
「朱の記憶」が現代に教えるデザインの力(後編)
オリンピックのポスターから見てみましょう。これは四つの連続的な作品となります。エンブレム、スタートダッシュの瞬間、バタフライ、そして聖火ランナー。オリンピックというイベントの華やかさ、ダイナミズム、祭りのハレといったものをビジュアルで表現し、オリンピックの思想を一貫して示しています。
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“日本初”の五輪エンブレムをつくった亀倉雄策、その生涯
「朱の記憶」が現代に教えるデザインの力(前編)
2020年東京オリンピックエンブレム問題により、世間から再注目を浴びた1964年の東京オリンピックエンブレム。五輪マークの上に日の丸を掲げた、シンプルながらも力強いデザインに、「2020年もこのエンブレムを使ったらいいではないか」という声が多く聞こえた。そして、その制作者である亀倉雄策もまた、没後1…
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五輪エンブレム問題の本質とは何か
デザインが失ったもの、いま求められるもの
2015年に世の中を騒がせた東京オリンピックの大会エンブレム問題。このとき、皮肉にも世間の注目を集めることになったのが、1964年の東京オリンピックの大会エンブレムと、それをデザインした希代の表現者・亀倉雄策だ。亀倉の生涯を綴った書籍『朱の記憶 亀倉雄策伝』(日経BP社)の著者でクリエイティブディレ…
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