編集部:最近、グローバル競争で日本メーカーが世界の競合企業に押し込まれる例が目立ちます。社員の競争力の引き上げは喫緊の課題で、会社から部下の能力を一層向上させることを求められて悩む管理者は増えています。トヨタ自動車の管理者はこの辺りに優れたノウハウを持っているのではありませんか。
肌附氏―部下の能力を最大限に引き出すために、トヨタ自動車の管理者が大切にしていることがあります。それは、「部下のやる気を高める心のマネジメント」を実践することです。
私が知る限り、日本企業の管理者のマネジメント手法には定まったものがなく、属人的な要素が多いように思います。そのため、優秀な管理者は部下の能力を引き上げることができますが、そうではない管理者の場合にはそれがうまくできないということになりがちです。部下のやる気を高める心のマネジメントは、優秀な管理者であれば、きっとどの企業でも実践しているものだと思います。
編集部:それはどのようなものですか。