本コラムでは、皆さんの悩みに関してトヨタ自動車流の解決方法を回答します。同社で長年生産技術部門の管理者として多数のメンバーを導き、その後、全社を対象とする人材育成業務にも携わった経歴を持つ肌附安明氏が、皆さんの現場で参考になる実践的で具体的な解決策を提供していきます。
悩み
開発部門でマネージャーを務めています。新興国メーカーやベンチャー企業の台頭、IT業界など異業種からの参入といった影響を受けて、最近、私たちが造っている製品のコモディティー(陳腐)化が急速に進んでいます。これを避けるためには、製品に付加価値をもたらす新技術が必要です。新技術が次々と生まれるような職場にしたいのですが、何かヒントはないでしょうか。

肌附氏―技術の進化なくして日本メーカーが生き残る術はありません。新技術で製品の魅力を高めたいという願いは製造業の普遍的なテーマです。しかし、特に2008年のリーマン・ショックの後、韓国や台湾、中国、インドなどの製造業が急速に力を付けてきたことで、日本メーカーの間で新技術を切望する声が従来以上に強まってきました。

編集部:トヨタ自動車は、新技術を継続的に生み出し続けていると思います。なぜ、トヨタ自動車はそれができるのでしょうか。