エレクトロニクス関連の機器や部品の開発現場で最も多用される測定器の一つにオシロスコープがある。だが、正しい測定結果を得たり、機能を最大限活用したりするのはコツが要る。若手からベテランの技術者まで、オシロスコープを使いこなす上で欠かせない基礎知識から測定の勘どころまで、順を追って紹介していく。
いまさら聞けないオシロスコープの超基本
目次
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雑音の発生源をオシロでつきとめる
被測定信号のレベルや、波形パラメータを正しく取得(4)
オシロスコープには、FFT(fast fourier transform:高速フーリエ変換)と呼ばれる機能がある。これは、設計した回路に意図しない雑音が発生する場面で活躍する。雑音の混入は現場の技術者を悩ませる大きな問題のため、技術者がFFT機能を使う場面は多い。
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オシロに潜む“感電リスク”?!
被測定信号のレベルや、波形パラメータを正しく取得(3)
連載してきた「オシロスコープを使いこなす~基礎から測定の勘どころまで~」は今回で終了となる。繰り返しになるが、高確度で高精度な測定のために被測定信号に対して十分な性能のオシロスコープを選ぶばかりではなく、使用に当たっての守るべき点を説明してきた。さらに、プローブの選択や接続の注意、オシロスコープに表…
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オシロで正しい数値を読み取るための測定技
被測定信号のレベルや、波形パラメータを正しく取得(2)
これら波形パラメータの値は、昔はオシロスコープに表示された波形の各点をもとにディスプレイ上に重ねた目盛板から読み取っていた。だが、目盛りを基準に人の目に頼って読み取る限り、高い精度や確度は望むべくも無かった。加えて、測定者のスキルによっても測定データが異なってしまい、誰でも正確に測定することは難しか…
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オシロで分かる「波形パラメータ」
被測定信号のレベルや、波形パラメータを正しく取得(1)
若手からベテランの技術者まで、開発現場で最も多用される測定器であるオシロスコープ。本連載では、正しい測定結果を得たり機能を最大限活用したりするための基礎的な知識から測定のコツまでを幅広く解説してきた。最終回となる今回は、仕上げとして「カーソル」と「自動測定」を取り上げる。オシロスコープに備わる便利な…
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オシロに現れる“偽りの波形”エイリアシング防御策
最適なアクイジション・モードで被測定信号を正しく理解(3)
そこで、エイリアシングを防ぐ方法を他にも紹介したい。その一つは時間軸を一番速い設定にして少しずつ遅くしていく方法だ。オシロスコープに表示される最初の波形はエイリアシングではない。手間はかかるが確実だ。
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オシロの「ハイレゾ」とは何か
最適なアクイジション・モードで被測定信号を正しく理解(2)
アベレージ・モードは、連続的にサンプル・モードで取り込み、サンプル・ポイントをそれぞれの波形ポイントごとに平均して表示波形とする(図3)。周波数帯域を犠牲にすることなくランダム雑音を除去できるため垂直分解能が向上する。ただし、連続信号にしか適用できない。
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使ってる?オシロの「ピークディテクト」に「エンベロープ」
最適なアクイジション・モードで被測定信号を正しく理解(1)
開発現場で多用される測定器であるオシロスコープで、正しい測定結果を得たり、機能を最大限に活用したりするための知識やコツを説明する本連載。前回はデジタル部を中心に、正確な測定結果を得るための方法を紹介した。今回は、“取得”を意味する「アクイジション(acquisition)」をキーワードに、オシロス…
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オシロの便利技!気になる部分を拡大表示
適切なサンプリング方法の選択で、正確に波形を表示する(3)
第5章では、波形の任意の部分を詳細に分析できる水平(時間)軸の拡大機能を紹介する。開発の現場で直面する未知のさまざまな信号に対して、慌てず正確に対応するためだ。例えば、オシロスコープに被測定信号波形を表示したところ、トリガ点から時間的に遅れたところに、水平軸を拡大して細かく観測したい箇所を見つけた場…
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イマドキオシロの超基本
適切なサンプリング方法の選択で、正確に波形を表示する(2)
この他、技術者が被測定信号の波形をオシロスコープに正確に表示するために、デジタル部で理解しておくべきポイントが幾つかある。まずサンプリングには、「実時間サンプリング」と、「等価時間サンプリング」の二つの方法がある(図2)。オシロスコープを使いこなすために、これらの違いをきちんと理解してほしい。
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時間軸設定に潜む、オシロの落とし穴
適切なサンプリング方法の選択で、正確に波形を表示する(1)
オシロスコープの基礎から押さえておくべきポイント、便利な測定機能などを解説していく本連載。今回は、「デジタル部」に焦点を合わせた。オシロスコープが1934年に誕生してから80年近い歴史が流れているが、最近ではその進化をデジタル技術および機能が引っ張っている。正確な測定や効率化を進める上で活用できる…
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オシロのリンギングを抑える裏ワザ
周波数帯域と立ち上がり時間で、最適なオシロスコープを選択する(3)
周波数特性とパルス特性の関係を説明したところで紹介したリンギングという現象、実は、プローブのグランド・リードの長さが変わることでも起きてしまう。測定結果に大きな影響があるため、その現象と対策を理解してもらいたい。結論から言えば、プローブのグランド・リードはできるだけ短くしてもらいたい。グランド・リー…
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そのオシロの「立ち上がり時間」、知っていますか?
周波数帯域と立ち上がり時間で、最適なオシロスコープを選択する(2)
サイン波信号の振幅測定に加えて、パルス波信号の立ち上がり時間測定などもオシロスコープの代表的な測定の一つである。
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オシロの「周波数帯域」、勘違いが悲劇を生む
周波数帯域と立ち上がり時間で、最適なオシロスコープを選択する(1)
オシロスコープで正しい測定結果を得たり、機能を最大限活用したりする勘どころを解説していく本連載。第3回となる今回は、「周波数帯域」と「立ち上がり時間」を中心に説明してもらう。この二つは、性能の違いでさまざまな種類があるオシロスコープで、それぞれの測定に必要な機種を選択する上で欠かせないキーワードであ…
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オシロの超基本技「トリガ」使いこなし術
アナログ部との付き合い方で、測定精度が大きく変わる(3)
初期設定の状態ではトリガ点はディスプレイの中央にあるが、目的に応じて水平軸の位置つまみを回して表示する領域を調整して使うと効率的だ。
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未知の信号をオシロで測るにはどうすればいい?
アナログ部との付き合い方で、測定精度が大きく変わる(2)
正しい測定をするための準備が整ったので、これからはオシロスコープが持っている基本機能とその使い方を説明していく。
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精度が変わる!オシロ測定前の超基本準備
アナログ部との付き合い方で、測定精度が大きく変わる(1)
開発現場で多用される測定器であるオシロスコープ。正しい測定結果を得たり、機能を最大限活用したりするにはコツが要る。連載第2回となる今回は、オシロスコープの測定性能を引き出す上で欠かせないアナログ部に関する知識を解説してもらう。実際に測定を始める前にすべき準備を含めて、測定精度を高める上で重要なポイ…
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現在の主流は「第3のオシロ」
誰もが使う測定器オシロスコープとは?(3)
このように、ARTとDSOには長所と短所がある。そして、両者の長所を組み合わせるようにして開発されたのが、デジタル・フォスファ・オシロスコープ(DPO:digital phosphor oscilloscope)である(図6)。入力信号をいったんA-D変換器でデジタル・データにするところまではDSO…
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ブラウン管のオシロは何だったのか
誰もが使う測定器オシロスコープとは?(2)
繰り返しになるが、オシロスコープは電気信号の時間的な変化をそのままディスプレイ上に波の形で表示する装置である。オシロスコープの歴史をひもとくと、実はかなり昔に開発された測定器であることが分かる。我々が把握しているところでは1934年。実に80年近く前に誕生していた。
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知っている?オシロの超基本の使い方
誰もが使う測定器オシロスコープとは?(1)
エレクトロニクス関連の機器や部品の開発現場で最も多用される測定器の一つにオシロスコープがある。だが、正しい測定結果を得たり、機能を最大限活用したりするのはコツが要る。若手からベテランの技術者まで、オシロスコープを使いこなす上で欠かせない基礎知識から測定の勘どころまで、順を追って紹介していく。連載第…