韓国Samsung Electronics社の無線イヤホン「Gear IconX」はAppleの「AirPods」に先駆け、2016年6月に発売された本格的な「ヒアラブル」である。完全左右独立型であるだけでなく、心拍計を備え、単独で音楽プレーヤーとしても使える。操作は左右の耳のタッチパットだ。前回に引き続き、Gear IconXの使い勝手を見ていこう
Samsung Electronics社の「Gear IconX」。(写真:Samsung Electronics社)
Samsung Electronics社の「Gear IconX」。(写真:Samsung Electronics社)
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操作はタッチパッド、使いこなすには慣れが必要

金色の線で囲まれたまるっこい三角形部分がタッチパッド。
金色の線で囲まれたまるっこい三角形部分がタッチパッド。
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 Gear IconXの操作はイヤホンの左右にそれぞれ備える静電式のタッチパッドを使う。本体の金色の線で囲われた部分がタッチパッドである。音量調節や曲送りなどの操作は左右いずれをタッチしても同じように動作する。耳元での軽いタップで各種操作ができるというのは、ユーザーにとってかなり便利だろう。

タッチパッドで複数の操作ができる。
タッチパッドで複数の操作ができる。
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 ただし、タッチパッドの操作には慣れが必要だ。筆者はまずタップの使い分けに手間取った。原因の1つは、どのタップがどの操作に相当するのか、もの覚えの悪い筆者にはぱっと覚えきれなかったことだ。また、やり方がどう悪いのかわからないが、タップに反応しないケースもあった。反応しないので連打したり、しばらく触っていたりすると今度は複数回タップと判断されたり長押しと判断されたりして、意図とは違う動きになってしまうことがしばしばあった。

タッチパッドにより多様な操作を耳元で実現する
タッチパッドにより多様な操作を耳元で実現する
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 例えば「長押し」はタッチパッドを軽く押し込むようにするとメニューが読み上げられる。希望のメニューが読み上げられたタイミングで指を離すとその機能が選ばれるという操作だ。筆者は長押しのメニューとして「トレーニングの開始/終了」と「周囲の音(周囲音を拾う、いわゆる「トランスペアレントモード」)」を設定していた。ところが、ダブルタップなどを誤って長押しと判断され、意図しないときにトレーニングの記録が開始されてしまうことがあった。

左耳側のイヤホンで、スワイプする場合
左耳側のイヤホンで、スワイプする場合
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 「スワイプ」は上下になぞることで音量を調整するシンプルな操作だが、耳に着けた状態での上下関係を把握するのは案外難しかった。「Wingtip」の穴が上方向、反対側の三角形の頂点が下方向にあたる。当初、この上下方向を無視して、装着した雰囲気の上下で適当にスワイプしていたため、ダブルタップとよく間違えられていた。これも慣れてしまえば便利なのかもしれないとは思う。