発売から3カ月経つも、6週間待ち――現在も品薄状態が続いているのが、それが米Apple社の無線イヤホン「AirPods」の現状だ。本体とBluetoothで接続する左右独立型の無線イヤホンで、2016年9月8日にスマートフォン(スマホ)「iPhone 7」「iPhone 7 Plus」と同時に発表された。当初は同年10月後半から提供開始とされたが、発売は遅れ、日本では同年12月19日にようやく出荷が始まった。価格は1万6800円(税別)である。
単なる無線イヤホンを超える「ヒアラブル」
AirPodsの主機能はBluetoothでスマホと繋がって音を鳴らすイヤホンではあるが、それだけに留まらない。各種のセンサーを内蔵し、ジェスチャーで動作を制御して使い勝手を高めている。マイクを内蔵し、Appleの音声アシスタントとも連動できる。
実はAirPods以外にもこの種の従来のイヤホンを少し超えた、コンピューティングに近いような使い方が実装された「多機能無線イヤホン」がここに来て増えている。海外ではこうしたイヤホンを称して「ヒアラブル(Hearable)と呼ぶようになっている」(ウエアラブルコンピュータに詳しい神戸大学大学院工学研究科電気電子工学専攻 教授の塚本昌彦氏)。Hearable自体は「聴こえる」という意味の英語だが、ここでは「Hear」と「Wareable」を掛け合わせてウエアラブルコンピューティング機器の一種であるという意味が込められている。