脳から始める汎用AI
目次
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言語の実現には大規模なネットワークが関与
第8回
大脳皮質の領野のうち、言語(話す、聞く、読む、書く)に関わりの強いところを言語野、言語中枢(language center)と呼びます。中でもブローカ野とウェルニッケ野が有名です。今回は、ヒトで特に発達した言語機能について見ていきましょう。
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同様な構造で処理される五感
第7回
今回のテーマは五感です。主に、視覚、聴覚、体性感覚(触覚)の3つに触れます。今のところ、ロボットには嗅覚と味覚センサーは一般的ではないですしね。それぞれの感覚の情報処理の経路や、処理の内容を解説します。中でも、研究がかなり進んでいる視覚については細かく説明していきます。
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滑らかな運動を作り出す小脳
第6回
今回解説するのは小脳です。脳の他の部位と違って、比較的分かっていることが多い部分です。霊長類はもちろん、魚類から哺乳類にいたるまで、種を超えて脊椎動物すべてに共通した構造を持っています。このことから、小脳は脊椎動物には無くてはならない重要な器官であるとされます。
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間脳や大脳基底核を観察
第5回
今回は、大脳新皮質に包まれた内部にある、間脳(diencephalon)や大脳基底核(basal ganglia)の解剖学的な構造や役割を紹介します。これらの構造は非常に入り組んでいますが、これらの間をつなぐ信号の経路から、脳の動作を読み解くヒントが得られます。
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知性が宿る大脳新皮質
第4回
今回は、霊長類、なによりヒトで特に発達している大脳新皮質を扱います。大脳新皮質は大脳の一部です。大脳は、大脳半球(cerebral hemisphere)という左右2つの部位から成っています。いわゆる右脳と左脳にあたります。両者は完全に分離しているわけではなく、脳梁(corpus callosum,…
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ニューロンの動作を理解する
第3回
ニューロン(Neuron)または神経細胞は、脳を構成する最小単位であり、端的には信号を受け取り、別のニューロンへまた送り出す役割をしています。機械学習の「ニューラルネットワーク」と呼ばれる分野では、ニューロンの振る舞いを思い切り簡略化したものが使われますが、実際のニューロンは非常に複雑な振る舞いをし…
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脳の構造を整理する
第2回
脳は言うまでもなく動物の知性の中枢であり、この器官を持つからこそ、私が書いたこの文章をあなたが読めるわけです。この 1.5 kg 程度のピンク色の器官は、多数の神経細胞が相互に接続したネットワークでできており、それによって様々な能力を発揮しています。
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本物の人工知能を目指して
第1回
現在ブームの渦中にある人工知能には、実は大きな限界がある。あらかじめ設計した特定の用途にしか適用できない点である。この壁を乗り越えて、あたかも人間のような知性を実現しようと試みるのが、汎用人工知能(AGI:Artificial General Intelligence)の研究開発だ。自ら汎用人工知能…