ジェイテクト ステアリングシステム開発部部長 山川知也氏
ジェイテクト ステアリングシステム開発部部長 山川知也氏

 ジェイテクトは、その前身である光洋精工が1988年に世界で初めて電動パワーステアリング(EPS)を開発、生産したEPSのパイオニアである。そのジェイテクトに3回にわたって、EPSの現在と未来を聞いた。

 EPSはコラムアシスト式からスタートして、ピニオンアシスト式、ラックアシスト式が開発され、それぞれに効率やフィールを高めるためモーターやラック、コラムシャフトなどに改善が施されてきた。同社はラックアシスト式を含めて、市場に出回るEPSのすべての形式をカバーしている数少ないメーカーとも言える。

 まずはEPS市場の現在と将来の展望について、ステアリングシステム開発部部長の山川知也氏から説明を伺った。ジェイテクトは、日本国内はもちろん、世界市場で見てもシェア1位となるEPSのトップメーカーゆえ、技術のみならず市場予測などの分析力においても、最も信頼出来るメーカーの一つと言って良い。

新開発のラックパラレルタイプ(ラックアシスト式)EPS
新開発のラックパラレルタイプ(ラックアシスト式)EPS
[画像のクリックで拡大表示]

 「2014年の時点で自動車生産総数のうちEPS採用率は約56%、これが2020年には生産台数の総数は17%ほど伸び、EPS採用率は約67%まで上昇すると予測しています」。すでに80%を超えている日本では今後も微増となるが、北米市場、アセアン市場では2、3割の採用率の上昇が見込まれているそうだ。