大東難民の救済体制を1週間で整えたエネチェンジ

 監視委員会のアドバイスのかいなく、大東エナジーの需要家の間には不安が広がっているようだ。

 エネチェンジの有田社長は、「困り果てた需要家が当社のコールセンターに問い合わせをしてきた。その数は並大抵ではなく、電話を受け切れない状況に陥っている」と明かす。

 エネチェンジはコールセンターを拡充するとともに、約1週間でWebサイトに大東エナジーの契約者向けの説明ページを開設。大東エナジーからの切り替え専用のフリーダイヤルも設けた。

 実際、エネチェンジに問い合わせてきた需要家の大半は、突然の切り替え要請に困り果て、怒りをこらえきれない需要家もいた。

 問い合わせてきた需要家に対してエネチェンジが行ったアンケートによれば、大東エナジーの対応に対して「とても不安」の回答が35%、「少し不安」が47%。80%以上の需要家が不安を感じているという。

 不安を感じる理由のトップは、「切り替え手続きまでの時間が短い」で58%の需要家が回答した。「切り替えないと電気が止まるのではないか」が45%、「切り替え方法が分からない」が40%もいた。

 こうした状況に、エネチェンジは大東エナジーに対して、需要家への情報提供や切り替え支援をしたいと考えた。だが、連絡が取れなかったという。

 エネチェンジの株主経由や銀行経由でもコンタクトを試みたが一向につながらない。腹に据えかねて、冒頭のように、有田社長自ら大東エナジーのコールセンターに電話をしたというわけだ。

 「突然の切り替え通知にユーザーが困っています。当社のコールセンターも対応に追われ非常に困っていると伝えたのですが、取り合ってくれない。『エネチェンジ社長から電話があったと社内に上げてくれ』と伝えたが、勝手にやってくれという反応。その後も、なしのつぶてです」(有田社長)。