新電力が集まることで戦闘力を高められるのは、インバランス対策だけではない。

 1つ1つの新電力は顧客の特性によって1日の電力供給パターンが異なる。だが、電力は朝、昼、夜とできるだけ万遍なく調達するほど、平均調達コストを下げられ、昼間のピーク時間帯に起きやすい市場価格高騰のリスクを分散できる。供給パターンの異なる新電力を戦略的に集めることで、利益を出しやすいBGを形成できる。

 また、全体の需要規模が大きくなれば、電力の調達先である発電所との交渉力も高まる。電力調達をもっぱら市場に頼るだけでは、市場価格の高騰リスクはいつまでも回避できない。参加事業者に代わって市場から電力を調達するだけでなく、相対による電源確保に努めることもBGの特徴を生かせるサービスだ。

 「BGの代表事業者と参加事業者は、親子のようなもの。正しいBGは、親子関係が良好で、双方にとってプラスに働く関係性であることだ」と村谷代表は言う。

BGの選択は新電力事業の今後を左右する

 新電力の連合体であるBGには多くの可能生がある。得意分野はBGによって違いもある。同時同量業務(インバランス対策)だけでなく、広い意味での需給管理や電源調達こそが電気事業の利益の源泉である。新電力にとって最適なBGの選択は、自社のニーズ(弱点)を知るところから始まると言っていいだろう。そのうえで、BGの特徴を見極めることだ。

 電気事業の経験が浅い新規参入組の中には、不慣れな業務の外注先として、とりあえずBGに参加するという例も少なくないようだ。だが、それでは生き残っていくのは難しい。BGの選択は、電気事業を理解することであり、電気事業の戦略を練ることにも通じている。

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新電力事業の明暗を分けるほど重要な業務である「需給管理」。その選択肢の1つが、他の新電力が主宰するバランシンググループ(BG)への参加です。しかし、そのサービス内容や料金は様々。そこで、日経エネルギーNextビジネス会議は、小売電気事業者の登録企業を対象にBG選びのポイントを学ぶセミナーと、BGの代表事業者とのビジネスマッチングを目的とした名刺交換会を開催致します。詳細はこちらをごらんください。