Looopはマイニングフラットを発表した同日に、業務用エアコンやエレベーターなどで利用される低圧動力向けの「動力プラン」も発表している。小嶋本部長は、「動力プランの投入で一通りの電気料金メニューが出揃った。マイニングフラットは、Looopが新しいことに常に取り組む姿勢を示すメッセージでもある」と語る。

ブロックチェーンの電気事業での可能性を探る

 この料金プラン発表を契機にテックビューロとの接点ができたLooopは、マイニング事業者であるCMJも加えた3社での業務提携に踏み切った。発表文には、仮想通貨取引所を運営するテックビューロとマイニング機器周りの運用ノウハウを持つCMJと「国際競争力を有したマイニング事業に関する業務提携」とある。

 ただ、「Looopがマイニング事業に参画するかどうかは決めていない」と小嶋本部長は言う。現時点で決めているのは、テックビューロとCMJが国内で手がけるマイニング事業向けに電力を供給することだけだ。

 Looopの目的は、仮想通貨やブロックチェーンの動向を把握し、電気事業で活用する可能性を探るためだ。「業務提携を通じて分散型コンピューティングのノウハウをためて、VPP(仮想発電所)事業などにつなげていきたい」(小嶋本部長)という。

 今回、3社は太陽光発電を活用したマイニング事業用コンテナのイメージ図を公表した。コンテナの中にマイニング用マシンを詰め込み、電力は太陽光や外部電源から供給する。コンテナの屋根面積だと、10kWほどの太陽光パネルを搭載できる。

 「太陽光でマイニングに必要な電力を賄えるわけではない。むしろ、ソーラーシェアリングのように、コンテナ屋根上のスペースを太陽光発電に活用するイメージだ」(小嶋本部長)。コンテナは複数並べて、電力は高圧での供給を想定している。