患者・薬剤師・医師をつなぐサービスへ

 電子お薬手帳相互閲覧サービスを運営する日本薬剤師会は2017年1月25日、「電子お薬手帳協議会」を発足し、第1回協議会を開催した。発足の狙いは、電子お薬手帳の利用拡大に向けて、「(普及を促進する)環境整備を目的に、サービス提供の課題を共有し、技術的な解決や運用方法を協議するため」(日本薬剤師会 常務理事の渡邊大記氏)。協議会には、日本薬剤師会、データ保存先サーバー運営事業者、電子お薬手帳のデータ仕様を策定した保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)などが参加した。

図1 e薬Linkの共通ロゴマーク。同サービスに対応する薬局や電子お薬手帳アプリに掲出される(提供:日本薬剤師会)
図1 e薬Linkの共通ロゴマーク。同サービスに対応する薬局や電子お薬手帳アプリに掲出される(提供:日本薬剤師会)
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 第1回協議会では、前出の電子お薬手帳相互閲覧サービスの呼称を「e薬Link(イークスリンク)」にすることを決定。共通ロゴマークも発表した(図1)。このロゴマークは今後、電子お薬手帳相互閲覧サービスに対応する電子お薬手帳内に表示するとともに、対応薬局の店舗にも掲示していく予定という。

 日本薬剤師会は将来的に、e薬Linkの機能拡大を見据えている。現時点では、薬局が一元的に患者の薬歴を閲覧できるようにするシステムだが、疾病管理手帳(かかりつけ連携手帳)や地域医療情報連携基盤などとの連携も見据えているという。「日本医師会などが進める電子版の疾病管理手帳などとの併用も考えられ、かかりつけ医も情報閲覧することが業務の一環となる」(渡邊氏)。e薬Linkを患者・薬剤師・医師をつなぐサービスへと拡大していく考えだ。