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“どこでも医療”が企業人のカラダを守る

【対談】脇嘉代氏×伊藤誠悟氏

2017/03/21 08:10
大下 淳一=日経デジタルヘルス
出典: 日経デジタルヘルス特別編集版2017 薬局編,2017年3月6日 ,pp.22-25 (記事は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります)

世界を舞台に戦うグローバル企業の従業員たちの健康をどう支えるか。糖尿病の自己管理支援アプリ「GlucoNote」を開発した東京大学 特任准教授の脇嘉代氏と、三菱商事 診療所長の伊藤誠悟氏が語りあう。カギを握るのは、ICTを活用し時間と場所の制約を乗り越えた“どこでも医療”を実現することだ。(構成:大下淳一)

伊藤 誠悟氏
三菱商事 診療所長(写真:栗原克己、以下同)
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三菱商事の診療所では受診者数が年間のべ2万人を大きく超えるという。これだけの規模の受診者をどのような体制でサポートしているのだろうか。

伊藤氏 我々の診療所では内科医23人、外科医3人、精神科医3人という体制で、非常勤を含み計29人の医師で診療を担当しています。社員には年1回の健康診断に加え、異常値やそれに近い値が出た場合には3~6カ月おきに血液検査などによるフォローをしています。コレステロールや血糖値が高めという人のほか、尿検査の軽度異常所見について、通常は経過観察となる集団も定期的にフォローしています。企業内の診療所ですので、緊急性の高い疾患から一般の外来診療ではなかなか対応できないような健康相談まで、きめ細かい医療サポートができるよう心がけています。

 海外に駐在する社員も多いので、その対応も重要です。海外渡航前の検診のほか、本邦出張時には健康診断を受けてもらっていますし、それができない場合は現地の医療機関と協力し、駐在先で年1回、健康診断を受けてもらうようにしています。緊急時対応についても、各地域の担当者と緊密な連携を取り、最適な医療機関へ迅速に搬送できる体制を敷いています。海外駐在員はいつでも電子メールで医療相談を受けることができますが、今春からは駐在拠点の医療事情を実際に見て回ってこようとも考えているところです。

脇 嘉代氏
東京大学 大学院医学系研究科 健康空間情報学講座 医学部附属病院 糖尿病・代謝内科 特任准教授
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脇氏 とても手厚いサポートだと感じますが、社員の方自身の健康意識はどうでしょうか。毎日が激務でしょうし、海外の環境や食生活にも対応しなくてはならず、健康を維持することは容易ではないと思いますが。

伊藤氏 仕事に没頭すると、健康への関心が薄くなりがちな社員が多いのは事実ですね。特に30代後半以降にその傾向が強くなるようです。海外駐在員の場合は、生活習慣や食生活が日本とは大きく変わりますので、より健康面に配慮する必要があります。

 高血圧や糖尿病、脂質異常。生活習慣病と呼ばれるこれらの疾患は、自覚症状があるわけではないんですね。ですから危機意識を持ちにくい。

 では、そういう人達にどうやって健康への意識を高めてもらうか。私が有効だと感じるのは、リスクの見える化です。ビジネスパーソン、しかも商社に勤めている社員ですので皆さん数字に強い。検査値がこれだと発症リスクがこのくらいで、生活改善や服薬でそのリスクがこれだけ下がります。そういう説明をすると、すごく納得してもらえるんです。

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