最先端の治療を身近に

 (3)の医療情報の可視化については、がん治療の先進技術の一つである粒子線治療の施設見学をVRで体験するという事例もある。三井住友海上あいおい生命は、VR映像によるメディポリス国際陽子線治療センター(鹿児島県指宿市)の施設見学を、2017年5月から保険代理店の店舗または訪問販売を通じて保険の契約を検討する人に提供している。

待合室のVR映像キャプションイメージ(画像提供:三井住友海上あいおい生命保険)
待合室のVR映像キャプションイメージ(画像提供:三井住友海上あいおい生命保険)
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治療室のVR映像キャプションイメージ(画像提供:三井住友海上あいおい生命保険)
治療室のVR映像キャプションイメージ(画像提供:三井住友海上あいおい生命保険)
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 目的は、「先進医療という選択肢があることを広めるため」と同社 経営企画部 広報グループ 副長の柳田慎二郎氏は話す。同社ではかねて、先進医療や疾患の正しい理解を広めるための情報発信を冊子やWebサイトを通じて行ってきた。新しいツールとしてVRを活用したのは、「その場に行ったかのような一体感や臨場感を味わえるため」と同氏は説明する。

使用する「VRscope」。スマートフォンを挿入してVR映像を見ることができる
使用する「VRscope」。スマートフォンを挿入してVR映像を見ることができる
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 今回VR映像にしたメディポリス国際陽子線治療センターは、「陽子線治療を実施する施設として規模が大きく環境が整っており、理解を深めるために紹介するのに適している」と同氏は語る。三井住友海上あいおい生命は、今後も医療や介護に関する情報を広く提供するためにVRコンテンツの拡充を図っていく考えだ。