内視鏡診断の支援として人工知能(AI)を活用する試みが活発になってきた。大腸や胃に生じた病変をAIが逃さず発見したり、悪性度を瞬時に判定したりする――。近い将来、そんな光景が当たり前になるかもしれない。2019年ごろの実用化を目指した臨床研究が始まり、学会も検診などへのAI活用に向けたデータベース構築に乗り出した(表1)。
国立がん研究センターは2017年7月、大腸に生じた癌や前癌病変を人工知能(AI)が発見する内視鏡診断支援システムを、NECと共同で開発した。このシステムでは、大腸に内視鏡を挿入していくと、次々と映し出される画像から病変疑い部位をAIが検知。アラーム音を鳴らすとともに、その部位を画面上で円で囲んで知らせ、見逃しを防ぐ(動画1)。