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動きだす遠隔診療(page 4)

2018年度診療報酬改定で評価へ、医療現場はエビデンス構築に動く

2017/06/26 11:00
大下 淳一=日経デジタルヘルス

新たな事務連絡で解釈を明確化へ

 遠隔診療の適用可能範囲などをめぐる解釈は、2015年8月10日の事務連絡でかなり明確になったとはいえ、現場にはまだ戸惑いが多い。その戸惑いの一因となったのが、2016年3月の出来事である。東京都福祉保健局からの疑義照会に答える形で、厚労省が「電子メールやSNSなどの文字および写真のみによって得られる情報により行う診療」や「対面診療を行うことを想定せず遠隔診療だけで完結させる診療」は医師法第20条に違反する、旨の見解を示す事務連絡(医政医発0318第6号)を出したのだ。

 遠隔診療サービス「ポートメディカル」を手掛けるポート(東京都新宿区)代表取締役CEOの春日博文氏は「(2015年8月の)事務連絡と(2016年3月の)疑義照会を足し合わせると、どう解釈したらよいかがあいまいな点が残る。これが明確化されなければ、遠隔診療の現場での運用は進まない」と訴える。

遠隔診療の解釈の明確化や、診療報酬での評価の必要性を訴える、ポート 代表取締役CEOの春日博文氏(右)とポート 事業開発部 ポートメディカル担当 医師の園生智弘氏
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 ポートは2015年11月、業界に先駆けて遠隔診療サービスの提供を開始(関連記事5)。自由診療の枠組みで初診から遠隔診療を用いたり、SNSを活用したりするプラットフォームを提供しようとしたが、保健所などからの指導を受けてサービスをいったん中止した経緯がある。2015年8月の事務連絡は、初診への遠隔診療の適用やSNSなどの手段の利用を禁じたものではない。にもかかわらず、実際の現場ではそのような解釈がなされ、遠隔診療の普及を妨げているというのが同社の主張である。

 遠隔診療サービス「curon」を提供する情報医療 代表取締役で、日本医療政策機構 フェローとして医療ICTに関する調査・提言にも携わる原聖吾氏も「遠隔診療の適用が許される範囲などについて、現場の医師からしばしば質問を受ける。制度としてクリアにすべき点はまだ多い」と指摘する。

 こうした状況を受けて、厚労省は近く、遠隔診療をめぐる解釈をより明確にするための新たな事務連絡を出す方針だ。2017年5月23日に開催された内閣府の規制改革推進会議では、「遠隔診療の取扱いの明確化」として、次の事項を含む新たな通知の発出が2017年度上期の検討・措置項目に盛り込まれた。

 すなわち遠隔診療が(1)「離島・へき地」以外でも可能であること、(2)初診時も可能であること、(3)医師の判断で実施可能な具体的な症例として、全て遠隔で行う禁煙外来、1回の診療で完結する疾病が想定されること、(4)医師の判断で活用可能なツールとして、SNSや画像と電子メール等の組合せが想定されること、である。新たに出る事務連絡は、現場の医師が適切と判断したケースであることを前提に、これらの内容を反映したものになると見られる。

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