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動きだす遠隔診療

2018年度診療報酬改定で評価へ、医療現場はエビデンス構築に動く

2017/06/26 11:00
大下 淳一=日経デジタルヘルス

スマートフォンやパソコンのビデオチャット機能を使い、インターネットを介して医師が診療を行う遠隔診療(オンライン診療)が、普及へと大きく動き出しそうだ。政府は2018年度診療報酬改定で遠隔診療を評価する方針を表明。厚生労働省は近く、遠隔診療の活用促進に向けた新たな事務連絡を出す方針である。医療現場でも、遠隔診療の安全性や有効性に関するエビデンスを構築し、適切な運用に向けたガイドラインを策定する動きが始まった。

 「対面診療とオンラインでの遠隔診療を組み合わせた新しい医療を、次の診療報酬改定でしっかり評価する」――。

 2017年4月14日に開催された、第7回未来投資会議。安倍晋三首相のこの発言は、インターネットを介したオンライン診療、いわゆる遠隔診療の普及に向けた新たな段階の幕開けを告げた。次の診療報酬改定、つまり2018年度診療報酬改定で遠隔診療に一定のインセンティブを与え、診療報酬上の評価がなされてこなかった状況を改善する方針が示されたのだ(関連記事1)。

未来投資会議で発言する安倍首相(出典:首相官邸ホームページ)
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 安倍首相は2016年11月の第2回未来投資会議でも遠隔診療を促進する意向を示していたが、第7回では制度改定時期にまで踏み込んだ。未来投資会議での一連の議論を受けて2017年6月9日に閣議決定された「未来投資戦略2017」でも、「オンライン診察を組み合せた糖尿病などの生活習慣病患者への効果的な指導・管理など、対面診療と遠隔診療を適切に組み合わせることにより効果的・効率的な医療の提供に資するものについては、次期診療報酬改定で評価を行う」と明記された。

 中央社会保険医療協議会(中医協)では、遠隔診療の診療報酬上の評価が2017年2月の総会で正式に議論の遡上に乗った(関連記事2)。未来投資会議や未来投資戦略2017で示された方針は、中医協でこれから本格化する2018年度診療報酬改定の議論に大きな影響を与えそうだ。

 遠隔診療の活用には消極的と見られてきた医師会も、対面診療を原則にするという前提のもとで、遠隔診療に一定の有用性を認める姿勢を示している。第7回未来投資会議では、日本医師会会長の横倉義武氏が「診療は患者と直接対面して行うことが原則だが、遠隔診療やICTの活用などあくまでも補完的な役割もある」と発言。未来投資戦略2017の閣議決定を受けて日本医師会が会長名で出した声明文にも、「かかりつけ医がICTを活用して経過観察や指導を行う遠隔診療は有効」との文言を入れた。

 仕事や子育てで忙しく医療機関を訪れる時間をなかなか確保できないビジネスパーソンや主婦、専門の医療機関が近隣にない地域の高齢者や難病患者などに、受診スタイルの新たな選択肢を提供する遠隔診療。これら一連の動きは、その普及に向けた一歩が刻まれたことを意味する。

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