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日本の電力市場、生かすも殺すもJERA次第

東電・中部電が火力完全統合に合意、シェア5割の巨大会社誕生へ

  • 山根小雪=日経エネルギーNext
  • 2017/03/29 13:23
  • 1/5ページ

 東京電力・福島第1原子力発電所事故は、日本の電力ビジネスに構造転換を迫った。今、誕生しようとしている巨大企業は、まさに原発事故の申し子だ。そして、日本の電力市場の行く末を左右する鍵を握っている。

 東京電力ホールディングスと中部電力は3月28日、燃料・火力事業の全面統合へ向けた基本合意書を締結したと発表した。両社の共同出資会社JERA(東京都中央区)に既存の国内火力発電事業を統合する。2017年度上期に合弁契約を締結。その後、発電設備などのデューデリジェンスを実施し、2019年上期までに統合する計画だ。

 日本最大の電力会社である東電と、第3位の中部電の火力発電事業を統合するため、当然ながら日本最大の発電会社となる。保有する発電設備(出力)の国内シェアは約5割だ。

布石は火力発電所の新設だった
東電と中部電が共同で石炭火力を新設中の常陸那珂火力発電所

 東電と中部電は2015年4月にJERAを設立後、同年10月にstep1として燃料輸送・トレーディング事業を統合。2016年7月にstep2の燃料調達や海外発電事業を統合した。そして、今回発表したstep3の国内既存火力発電事業の統合をもって、東電・中部電の燃料・火力事業はJERAに完全統合する。

虎の子の火力発電の切り出し、それでもぶれなかった中部電

 JERA誕生の契機は、原発事故による東電の経営危機だった。単独では成長戦略を描けなくなった東電は、アライアンスに活路を見出そうとした。最大の需要地である関東を営業エリアとする東電とのアライアンスには、東京ガスをはじめ複数のエネルギー企業が食指を動かした。東ガスが本命とささやかれた時期もあったが、東電を射止めたのは中部電だった。

 JERA設立は2015年4月だが、アライアンスの伏線はその前にあった。東電・常陸那珂火力発電所(茨城県那珂郡東海村)における石炭火力発電所の新設である。

 東日本大震災後、電源不足に陥った東電は火力発電の増強に走った。その際、常陸那珂火力発電所の敷地内で65万kWの石炭火力を中部電と共同で新設することを決めた。現在、2021年の営業運転に向けて建設工事を進めている。

 中部電関係者は、「常陸那珂で東電との人脈も含めて関係を構築できたことが今につながっている」と明かす。その後、中部電はJERA設立、そして完全統合へ向けて調整を重ねてきた。

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