「高齢者との相性が良い」

 レクリエーション後、吉村氏、山崎氏、等々力の家デイホーム事業所責任者の鈴木浩二氏にモニター調査を振り返ってもらった。

――筆者は今回のレクリエーションを見て、介護現場におけるPepperの大きな可能性を感じた。

吉村氏 モニター調査事業に採択される以前は、介護施設の協力で単発でPepperを持ち込んで実証を行なっていた。我々も開発を進める中で、やはり現場で確認して反応を見る機会がほしかったからだ。

 その際に強く感じたのが、高齢者との相性が良いということ。普段よりも高齢者が耳を傾けてくれる。長時間じっとしていられない方でも、Pepperが話したり、身振り手振りを交えて動いているときは、集中して話を聞いているのが驚きだったという職員の方からの感想もあった。そこで、介護現場での活用の可能性があるとの手応えを感じた。

 並行して、介護レクリエーションの大家である山崎先生にコンタクトを取り、ぜひ専門的な立場から意見をいただきたいと考えた。ただし「Pepperでできること、できないこと」は明確だ。できることの中からどのような活用法があるのかをディスカッションし、まずは高齢者のレクリエーションで活用するのが最も上手く行きそうだとの結論になった。