遠隔診療の基盤技術を提供

 ICT(情報通信技術)のヘルスケア応用は「リモートヘルス、つまり家庭でのヘルスケアに行き着く」。平野氏はこう話す。ヘルスケアの担い手は大病院からクリニックや介護施設へ移りつつあり、今後は「患者を中心に据えた家庭でのヘルスケアが、医療の質向上や医療費削減につながる」(同氏)。

 これを実現するのが、遠隔診療や遠隔健康管理などの手段だ。遠隔診療については「4K(4000×2000画素級)の映像を汎用システムで圧縮・送信・解凍できるようになった」(平野氏)ことのインパクトに触れた。こうした技術により「かなり高度な問診を遠隔でできる」(同氏)。

 遠隔健康管理に関する取り組みの一例として紹介したのが、IoTを活用したパーキンソン病の研究だ。マイケル・J・フォックス財団と進めている研究で、ウエアラブル端末による患者のバイタルデータ収集や、機械学習(machine learning)による予測モデルの提供などを試みている。