電子カルテと治療計画のデータから、がん患者の治療後生存期間を予測する――。機械学習(machine learning)の手法を使って、そんなことが可能になる日が遠からずやってきそうだ。

東京大学 医学部附属病院の馬込大貴氏
東京大学 医学部附属病院の馬込大貴氏
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 その最前線に立つ領域の1つが、がんの放射線治療。数理モデルを駆使する治療法である放射線治療と、機械学習の親和性は高い。両者を融合する取り組みが今、始まろうとしている。

 東京大学 医学部附属病院 放射線科の馬込大貴氏は、医学物理士/診療放射線技師の立場からそうした研究を精力的に進めている。同氏は2016年2月10日に東京都内で開催された「第38回がんプロ合同セミナー ~医療ビッグデータの将来像~」(主催:東京大学)に登壇。「機械学習・パターン認識技術に基づく予後予測研究」と題し、放射線治療後の患者の生存期間を、機械学習のアプローチで予測する試みなどを紹介した。