1回の採血で、肺がんやすい臓がん、大腸がんなど複数のがんの罹患リスクを一度に評価できる――。臨床検査会社のエスアールエル(SRL)と組み、健診機関や企業健診向けにこんなサービスを提供しているのが、味の素だ。

 アミノ酸の一種、グルタミン酸を原料とする「うま味調味料」にルーツを持つ同社が、2011年度に事業化したのが「アミノインデックス」と呼ぶ検査手法。血液中に多種類が存在するアミノ酸の濃度バランスを統計的に解析し、病気の罹患リスクを数値で示すというものだ(関連記事1)。“アミノ酸のプロ”ならではの知見を生かす。

 がんのスクリーニングに続いて現在、メタボリックシンドロームや糖尿病などの「生活習慣病」、加齢に伴う低栄養など「高齢者の健康」をターゲットにした応用研究を進めているという。これらの取り組みを指揮する味の素 研究開発企画部 総合戦略グループ 課長の野口泰志氏に、同社がアミノインデックスで描く未来について聞いた。

 野口氏は2016年2月26日開催のセミナー『医療ビッグデータサミット 2016 ~研究から臨床/実サービスへ~』(主催:日経デジタルヘルス)に登壇。「大規模臨床アミノ酸データに基づく、疾病の早期発見 ~アミノインデックスとその将来展望~」と題して講演する。

(聞き手は大下 淳一=日経デジタルヘルス)

味の素の野口泰志氏
味の素の野口泰志氏
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