今回のCESでは、VR用やMR用のHMDで、新たなプレーヤーの存在感が高まりつつあることも伺えた。標準的な部品の組み合わせで製品を作れるようになる“パソコン化”への動きが顕在化してきた。これまで静観していた、大手半導体メーカーや大手パソコンメーカーなどが続々と参入してきたのだ。

 その代表例が米Intel社である。同社CEOのBrian Krzanich氏は、同社が開発したVR基盤「Project Alloy」に準拠した製品が2017年第4四半期に登場することを明らかにした(関連記事)。

Brian Krzanich氏と「Project Alloy」
Brian Krzanich氏と「Project Alloy」

 2016年8月にProject Alloyを初めて公表した時点で、ハードウエアの仕様を公開し、OEMが広く製造できることを表明。開発に必要なAPIも公開するとしていた。同時に、Windows上で動作するVR環境を活用できるようにするため、米Microsoft社との連携も打ち出した。VRでもパソコンと同様な「Wintelモデル」を採用したわけだ。

 大手パソコンメーカーでは、中国Lenovo社がMicrosoft社と共同で開発したMR用HMDを出展した(関連記事)。本体の外側に2つのカメラを備え、撮影した外界の映像も表示する、いわゆる「ビデオシースルー」型である。これにより、外界の映像にCGを重ねる技術であるMRを実現する。Microsoft社が「HoloLens」で培った技術を今回のHMDに活用したという。

Lenovo社のビデオシースルー型HMD
Lenovo社のビデオシースルー型HMD
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 重さはおよそ350gで、表示部の画素数は1440×1440。2017年後半の製品化を目指しており、価格は300~400米ドルに抑えるという。