2017年1月開催の「CES 2017」における大手部品メーカーの展示内容を紹介する本シリーズ。第2回はTDKの主な出展物を紹介する。
同社はCES会場内の公開されたブースではなく、コンベンションセンターの「サウスホール」奥にあるプライベートルームで新製品を披露した。中でも同社がアピールしていたのが、スマートフォン用カメラなどに向けた光学式手振れ補正(OIS)用の機構部品である。直径25μmの形状記憶合金(SMA)ワイヤーをOIS用のアクチュエーターとして利用し、手振れを補正する。
VCM(ボイスコイルモーター)を利用する一般的なOIS用アクチュエーターに比べて、消費電流が小さく、OIS機構を薄くしやすいという。駆動時の電圧は2.5Vで、電流は50mAとする。SMAワイヤーを用いたOIS機構の外形寸法は、9.5×9.5×0.3mmである。2017年第2四半期の製品化を予定する。
触覚フィードバック用途に向けて展示したのが、薄いピエゾアクチュエーターである。偏心モーター(ERM)やリニアバイブレーター(LRA)といった競合技術に比べて、高い加速度と大きな発生力、速い応答時間を薄型で実現したことが特徴だという。変位特性が100µmで最大5Nの力を発生する「5Nタイプ」と、変位特性が200µm超で最大20Nの力を発生する「20Nタイプ」の2種類がある。これらは、2016年11月に開催された「electronica 2016」でもアピールしていた(関連記事)。