米NVIDIA社は2017年1月4日、同社のFounder兼CEO, Jen-Hsun Huang氏がCES 2017の基調講演に登壇。家とクルマの両方で人工知能(AI)を用いた各種機器や自動運転への取り組みを加速させていく姿勢を示した。家では米Google社、クルマでは、中国Baidu社、日本のゼンリン、ドイツRobert Bosch社、ドイツAudi社などと共同でAIに基づく自動運転システムの開発を進めていくことを明らかにした。
NVIDIA社のHuang氏が登壇直後に取り上げたのは、(1)ゲームに続くグラフィック処理プロセッサー(GPU)の重要な用途が、(2)VR(Virtual Reality)、AR(Augmented Reality)、MR(Mixed Reality)になるという見通しだった。さらに、(3)データセンターでのアクセラレーターとしてのGPU、(4)自動運転車のAIプロセッサーとしてのGPUの計4種類の用途を今後も重点的に開発していくととした。
実は、NVIDIA社はこの基調講演で、あるARグラスのメーカーとの提携を発表するのではないかという噂がしばらく前から流れていた。Huang氏の講演の冒頭部分はその噂が本当になるという期待を持たせるものだったが、AR/VR/MR関連の話はこれで終わってしまい、具体的な製品や提携の発表はなかった。講演直前までそういう方向だったが、最後に何らかの理由で発表できなくなったのではないか、とみることもできる。
次にHuang氏が触れたのがこれまでの同社のGPUの主要用途であるゲームの話だ。その中で、パソコンを使いながらも最近のパソコン向けゲームをほとんどしたことがない人が10億人いることに触れた。それは、そうした人が使うパソコンは高性能なGPUを搭載していないからだとも述べた。
その対応策として今回発表したのが「GeForce Now」だ。これは、ゲームにおける負荷の高い画像処理をクラウドのサーバー機で代行させるゲームサービス。「これで多くのパソコンユーザーがゲームを楽しめる環境になる」(Huang氏)。