48Vシステムと聞くとハイブリッド車(HEV)を連想するが、フランスValeo社は電気自動車(EV)への適用を提案し始めた。高電圧システムを使うEVに比べて、「システムコストを20%以上削減できる」(ヴァレオジャパン執行役員ジャパンCTOの武内稔氏)。2人乗りの小型EVに適用すれば、車両価格を9000米ドル(1米ドル=111円換算で約100万円)に押さえられるという。

図1 48Vシステムを搭載した電気自動車の試作車。ベース車両は「知豆(Zhidou)D2」
図1 48Vシステムを搭載した電気自動車の試作車。ベース車両は「知豆(Zhidou)D2」
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 Valeo社は48Vシステムを搭載した2人乗りの小型EVを試作し、エレクトロニクス関連の大型展示会「CES 2018」(米国ラスベガス、2018年1月9日~1月12日)で初めて披露した(図1)。ベース車両は中国の自動車メーカーである新大洋電動車有限公司が販売するEV「知豆(Zhidou)D2」だ。

 48Vシステムの利点は、電圧を高電圧に分類される60V以下に抑えることで、高電圧システムで要求される安全機能を実装する必要がなくなることである。システムが簡素になるため、高電圧システムよりも安価にできる。ベース車両のD2のシステム電圧は72Vだった。