「この1年で開発パートナーは100社以上増えて、現在は320社を超えた。乗用車やトラックのメーカーや移動サービス事業者、サプライヤー、地図システムやセンサーのメーカーなど、新しい自動運転システムを生み出せる陣営にまで成長している」。

 壇上で雄弁に語ったのは米NVIDIA社CEO(最高経営責任者)兼創業者のJen-Hsun Huang氏である(図1)。同社は2018年1月7日、エレクトロニクス関連の大型展示会「CES2018」(米国ラスベガス、2018年1月9日~1月12日)の開幕に先立って記者発表会を開催。自動運転システムに関する幅広い製品や技術を用意したことで、様々な企業のニーズに応えられている点を強調した。

図1 NVIDIA社CEO兼創業者のJen-Hsun Huang氏
図1 NVIDIA社CEO兼創業者のJen-Hsun Huang氏
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 記者発表会の目玉として用意していたのが、ドイツVolkswagen社との共同開発についてだった。自動運転分野での提携自体は2017年6月に発表しているが、今回、具体的な内容を明らかにした。人工知能(AI)を使って運転者の状態を把握し、サポートする“アシスタント”の開発を進める。

 「これからの5〜15年でクルマは大きな変貌を遂げる。その中で開発を進めるにあたり、我々は新しいスキルが必要だった」——。発表会ではVW社乗用車部門トップのHerbert Diess氏(Chairman of the Volkswagen brand Board of Management)がステージに立ち、提携の背景や狙いを語った。