「2030年に向けて都市の形が大きく変わる。パリやロンドンが巨大化する一方で、地方の都市も人口が増加しながら成熟していくだろう。その中で活用されるクルマはどのようなものか。そこを起点に開発した」——。
トヨタ自動車は、小型の電気自動車(EV)コンセプト「i-TRIL」を「ジュネーブモーターショー2017」で初公開した(図1)。短・中距離の移動に向けたコミューターである。見た目からも分かるように、同社が2013年に発表した1〜2人乗りの小型EV「i-ROAD」の進化版という位置付けだ(関連記事:トヨタ、3輪の2人乗り電動車「i-ROAD」を出展)。
i-TRILの開発を担当したPatrick Scheelen氏(Toyota Motor Europe「TME」社Senior Manager, Long Term Strategy & Concept Planning)は冒頭のように背景を説明する。デザインを担当したのは、フランス・ニースに拠点を置くToyota Europe Design Development(通称、ED2)である。
都市内を個人で移動する際のEVを想定したi-ROADとの使いの違いは、i-TRILの仕様にも表れていた。