パナソニックは、産業用コントロールシステムの展示会「SPS IPC Drives 2017」(2017年11月28~30日、ドイツ・ニュルンベルク)において、同社のサーボドライブ製品を中心に展示していた。中国をはじめとするアジア市場では一定の地位を確保しており、今後は欧州での事業拡大を図る。

 今回、同社は主にサーボドライブやレーザーマーカー、センサーといった製品を展示していた。特に前面に押し出していたのが、サーボドライブ製品「MINAS A6」シリーズである。同シリーズは、無線通信による稼働データの収集やスマートフォンなどのモバイル機器によるパラメーター設定などのIoT対応にも特徴がある(関連記事1関連記事2)。プレスカンファレンスでも、サーボドライブ事業や新製品を中心に紹介していた。

パナソニックの加藤康司氏
パナソニックの加藤康司氏
[画像のクリックで拡大表示]

 プレスカンファレンスに登壇した同社オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社メカトロニクス事業部モータビジネスユニット開発総括担当の加藤康司氏によれば、現在同社のサーボドライブ製品が最も売れているのは中国で、その割合は約40%にも達する。以下、日本とアジアがそれぞれ約20%、米国と欧州がそれぞれ約10%となっている。今後は、ドイツの推進するIndustrie 4.0(インダストリー4.0)などによる需要が見込める欧州にも力を注ぐという。

パナソニックのサーボドライブ製品は中国で最も売れている
パナソニックのサーボドライブ製品は中国で最も売れている
[画像のクリックで拡大表示]
Panasonic Electric Works Europe社のMichael Gartz氏
Panasonic Electric Works Europe社のMichael Gartz氏

 目玉の1つは、安全性の高い新製品「MINAS A6SX」の投入である。通常のサーボアンプと安全機能用のユニットを一体化させたもので、近日中に低速運転や非常停止など12種類の安全機能を備える製品を全世界で発売するほか、17種類の上位製品もラインアップに加える計画だ。欧州法人のPanasonic Electric Works Europe社でサーボドライブ製品などの販売およびマーケティングを統括しているMichael Gartz氏によれば、欧州では安全性が強く求められるため、訴求力が高いという。ブースでは、パナソニック製のライトカーテンと組み合わせることで、モーターによって回転している円盤に手を近づけると低速運転に切り替えたり、完全に止めたりするデモンストレーションを実施していた。

「MINAS A6SX」による安全機能のデモンストレーション
[画像のクリックで拡大表示]
「MINAS A6SX」による安全機能のデモンストレーション
[画像のクリックで拡大表示]
「MINAS A6SX」による安全機能のデモンストレーション