「ITC(International Test Conference)2016」(米テキサス州フォートワースで2016年11月13日~18日に開催)のセッション17「Mixed-Signal」において、ミックストシグナル試験手法に関する3つの最新技術が紹介された。以下ではそのうちの2件の内容を主に紹介する。

 セッション17で最初に登壇したのは米Mentor Graphics社のS. Sunter氏である。講演タイトルは「Automated Measurement of Defect Tolerance in Mixed-Signal ICs」(講演番号17.1)で、ミックストシグナルICの欠陥に対する耐性(defect tolerance)の自動測定手法について講演した。同氏は、デバイスが欠陥に対する耐性を持つことによって、デバイスの歩留まりや、システムの信頼性と安全性が高まるという理由で、アナログ回路における欠陥耐性の自動測定を目的とした研究を行っている。

 欠陥耐性は回路が耐えうる潜在欠陥の割合で定義される。欠陥検出率(defect coverage)が量産試験(t=0)において100%を目標としているのに対して、欠陥耐性は量産試験後(t>0)の100%を目指している点で異なる。数学的解析から、欠陥検出率と反対の設計目標であることが示された。DフリップフロップとTMR(Triple Modular Redundancy)回路の欠陥耐力を比較し、Dフリップフロップに比べてTMRのほうが高いことから、提案測定手法が正しく機能していることを確認した。