国民に還元できるビッグデータ基盤を構築

 「つなげる」については、国民・患者の健康な時から疾病・介護段階までの保健医療データを、個々人を中心にした形で統合した情報基盤「PeOPLe(仮称:Person centered Open PLatform for wellbeing)」を整備することを提言書に盛り込んだ。診療データのほか「バイオバンクやライフログも統合し、国民・患者のためにこれらのデータを使えるようにする」(宮田氏)ことを狙う。

 PeOPLeは先制的な疾病コントロールや「魅力的な生き方を追求する中で、自然に健康になれる」(宮田氏)ような仕組みづくり、さらには介護分野、例えば高齢者の日常データを用いた要介護認定などにも利用できる可能性があるという。要介護度などの「評価コストが下がり、(機能低下の度合いなどに応じた)インセンティブもつけられるようになる」(同氏)。安倍首相は未来投資会議で「介護のパラダイムシフト」にも言及しており、PeOPLeはその基盤にもなると宮田氏は見る。

 「ひらく」では、産官学のさまざまなプレーヤーが保健医療データにアクセスし、ビッグデータとして活用できるようにする。PeOPLeやそのほかのデータベースから、保険医療データを目的別に収集・加工・提供できる「データ利活用プラットフォーム(仮称)」を整備することを今回、提言した。